World Englishes -日本人の英語も英語です!
World Englishesとは?
World Englishesという言葉や概念を聞いたことがありますか?簡単に説明すると、英語を母国語とする人達の英語だけを正しい英語とするのではなく、英語をグローバルなコミュニケーションの言葉として、非母国語者の英語も英語であると尊重する考え方です。非母国語者の英語は、話者の母国語や文化、社会の影響を受け、様々な特徴を持ちます。この概念は、言葉を尊重するだけでなく、話者の国や個人の尊重に繋がることになると、私は思っています。それに、日本人にとって、Native LikeでなくともJapanese Englishが認められるってすばらしいと思いませんか?今までコンプレックスに感じていたことが文化として尊重されるのです。
KachruのThree Circles of English
このWorld Emglishes のコンセプトを知るうえで、イリノイ大学の言語学教授Kachruが唱えた英語の3つの円を紹介しましょう。Kachruは英語を3つの円で説明しました。
Inner Circle: 英語を第一言語もしくは母国語としている国の英語。イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドなどの英語です。Inner Circleの英語話者は3億8000万人と推測されています。
Outer Circle:英語を第二言語や公用語もしくは共通語として使用している国の英語。インド、シンガポール、マレーシア、バングラデシュ、パキスタン、ナイジェリア、タンザニア、ケニア、フィリピンなど、その多くが植民地時代に英国やアメリカなどのInner Circleの国に統治された歴史を持っています。Outer Circleの英語話者は、1億5000から3億人と推測されています。
Expanding Circle:英語を国際的コミュニケーション言語として、主にビジネスなどの限られた場面で使用している、中国、ロシア、韓国、日本などの国の英語。Expanding Circleの英語話者は、推定が難しく、1億~10億人と言われています。
昨今のグローバル化に伴い、Expanding Circleの英語は文字通り拡大しつづけ、現在世界中で約20億人の人達が英語を話すと推定されています。英語を習得すれば、全世界の人とコミュニケーションできる時代になってきているのです。受験のために英語を勉強するのではなく、自分の世界を広げるために英語を習得したいですね。
World Englishesのコンセプトは教科書や教材、インストラクターにも見られる
例えば、英語の教科書の登場人物ですが、一昔前は、英国やアメリカなどのInner Circle英語を話す登場人物が主でしたが、昨今は、香港などInner Circle英語話者を登場させたりと、World Englishesのコンセプトを反映させるものになってきました。また、World Englishesのコンセプトを重要視する教育機関もあります。中京大学の国際英語学部がその一つです。英米国の先生だけでなく、Outer CircleやExpanding Circleの先生も積極的に採用し、いろいろな英語への理解を深めているようです。
Written by Y.K.