理系数学演習-解答編-
理系問題演習
いよいよ、入試まであと少しです。今まで培った力を試すときです。むやみに新しい問題集に手を出すのではなく、今までやった問題の復習に力を入れていきましょう。(早稲田大学理工)
【問題1】
複素数 \(α=(-1+\sqrt{3})/2\) に対して
\(S_n=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } α^{k-1}、T_n=\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n } kα^{n-1}\) とおきます。但し、\(α^0=1\) とします。
(1) \(S_{3m} (m=1,2,3・・・・・・・)\) を求めてください。
(2) \(T_{3m} (m=1,2,3、・・・・・・・・\) を求めてください。
(3) \(T_{2020}\) を求めてください。
【解答1】
(1)\(α^3=1\) だから、\(S_n=0\)
(2)等比数列の和を求める方法を利用します。
\(S_n=(1-α^n)/(1-α)\) より \(S_{3m}=0\)
(3)\(2020=2019+1=3・673+1\) より
\(T_{2020}=T_{2019}+2020・α^{2019}\)
=\((-1+\sqrt{3})/2・673+2020・(α^3)^673\)
=\((2021-673\sqrt{3}i)/2\)
【問題2】
3次関数 \(f(x)=x^3-ax-b\) について考えます。
(1) \(a>0\) のとき、\(y=f(x)\) の極大値と極小値を求めてください。
(2) 次の \((ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)\) を示してください。
(ⅰ)\(27b^2-4a^3>0\) のとき、3次方程式 \(f(x)=0\) はただ1つの実数解をもつ。
(ⅱ) \(27b^2-4a^3=0 かつ a>0\) のとき、\f(x)=0\) は異なる2実数解をもつ。
(ⅲ) \(27b^2-4a^3<0\) のとき、\(f(x)=0\) は異なる3実数解をもつ。
【解答2】
(1)\(f'(x)=3x^2-a\) より、\(a>0\) のとき増減表により
極大値は、\(-b+2\sqrt{3}・a\sqrt{a}/9\)
極小値は、\(-b-2\sqrt{3}・a\sqrt{a}/9\)
(2)極値の積は、\(f(\sqrt{-a/3})・f(-\sqrt{-a/3})=(27b^2-4a^3)/27\) であることから、
図を参照して、題意のことがいえます。
例えば、\(a≦0\) なら、\(f'(x)≧0\) だから\(f(x)=0 はdただ1つの実数解をもちます。
【問題3】
関数 \(f(x)\) を次の積分で定義します。
\(f(x)=\displaystyle \int_{x}^{x+\log 2} \vert e^{2t}-e^t-2 \vert dt\)
(1) \(f(x)\) を求めてください。
(2) \(y=f(x)\) が極値をとる \(x\) の値を求めてください。
【解答3】
\(g(t)=e^{2t}-e^t-2 \) とおくと \(g(t)=(e^t-2)(e^t+1)\)
また、\(g'(t)=e^t(e^{2t}-1)\)
\(g(t)==0 なら、t=log2\) \(g'(t)=0 なら t=-log2\)
ⅰ) \(x+log2≦log2\) のとき つまり、\(x≦0\) なら
\(f(x)=-3/2e^{2x}+e^x+2log2\)
ⅱ)\(x≦log2≦x+log2 つまり 0≦x≦log2\) のとき
\(f(x)=5/2e^{2x}-3e^x-4x+2log2\)
ⅲ)\(x≧log2\) のとき
\(f(x)=3/2・e^{2x}-e^x-2log2\)
(2)(1)より、\(f'(x)\) を求め、極値をとる \(x\) を求めると
\(-log3、log(3+\sqrt{89}/10)\)
【問題4】
\(O\) を原点とする座標平面上に
放物線 \(C_1:y=x^2\) 円\(C_2:x^2+(y-a)^2=1 (a≧0)\) がある。
\(C_2\)上の点 \((0,a+1)\) における接線と \(C_1\) が2点 \(A,B\) で交わり、\(△OAB\) が \(C_2\) に外接しています。
(1) \(a\) をも求めてください。
(2) 点 \((s,t)\) を \((-1、1)、(1,a)、(0,a-1)\) と異なる \(C_2\)上の点とします。\(s,t)\) における\(C_2\) の接線と \(C_1\)との2つの交点を、\(P(α、α^2),Q(β、β^2)\) とします。
このとき、\((α-β)^2-α^2β^2\) は \(s,t\) によらない一定の定数であることを示してください。
(3) (2)において、\(P(α、α^2)\) から\(C_2\)への2つの接線が再び \(C_1\) と交わる点を \(Q,R\) とします。直線 \(QR\) は、\(C_2\)と接することを示してください。
【解答4】
(1)\(A,B\) の座標は、\((±\sqrt{a+1}、a+1)\) より \(OA,OB\) は
\(y=±\sqrt{a+1}x\) で表されます。
よって 中心 \(D(0,a)\) とすれば、\(D\) から、\(OA,OB)\) の距離が、\(1\)
\(\vert a \vert(/\sqrt{1+a+1}=1\)
\(a>0\) より \(a=2\)
(2)\(PQ\) の傾きは、\(α+β\)
\(PQ\)は、\((α+β)x-y-αβ=0\)
\(D(0,2)\) からの距離が、\(1\) だから 距離を考えて
\((α-β)^2-α^2β^2=3=一定\)
(3)\(QR=1\) を示せばいいことになります。