論証に関する問題-解答編-

論証に関する問題

入試問題には、いろんなタイプの問題がありますが、論証に関する問題はきちんと考えないと正解に到達できないものがあります。

論証の問題

【問題1】

円に内接する4角形があって、どの三頂点も二等辺三角形の三頂点になっています。この四角形はどんな形をしていますか。
(名古屋大学)

【解答1】

\(∠ACB=∠ADB=α\) \(∠BAC=∠BDC=β\) \(∠CAD=∠CBD=γ\) \(∠ABD=∠ACD=δ\) とします。
円に内接する四角形の対角の和は、\(180°\) だから少なくとも2つの内角は、鋭角ではなく、隣り合っています。

よって、\(γ+δ≧90°\) \(α+δ≧90°\) としても一般性は失いません。
2等辺三角形の底角は鋭角ですから、2つの三角形 \(ABC、BCD\) が二等辺三角形であるには、\(α=β、γ=β\) が必要です。
つまり、四辺形は、等脚台形 であり、\(AB=BC=CD<AC=BD\) であることが必要。

従って、さらに三角形\(CDA\) が二等辺になるには、\(CD=DAまたは DA=AC\) が必要。

よって、前者では、\(α=β=γ=δ=45°\)
後者では、\(α=β=γ=36°、δ=72°\)
これより、求める四辺形は、正方形 または 底角\(72°\) の等脚台形 です。

【問題2】

ある離れ島の地図があります。この地図で島の海岸線になっている曲線を \(C\) とします。曲線 \(C\) 上のどのような三点 \(X,Y,Z\) をとっても、常に \(△XYZ\) が作図できて、その外接円の半径 \(r\) は一定です。このとき地図上の島の形を求めてください。
(神戸大学)

【解答2】

\(C\) 上に 2点 \(X,Y\) をとり、\(X,Y\) を通る直線を \(g\) とすれば \(C\) と \(g\) は \(X,Y\) の他に交点 \(Z\) をもちません。(持つとすると、△XYZ が作図できるという条件に反します。)
よって、\(X,Y\) によって分けられる \(C\) の二つの弧は、\(g\) に関して反対側にあることになります。(上と同様に、同じ側なら条件に反します。)

線分 \(XY\) の垂直2等分線を \(h\) とすると、\(h\) は\(C\) と二点 \(Z_1,Z_2\) でと交わり、\(円XYZ_1,円XYZ_2\) は等円であり、\(∠XYZ_1、∠XYZ_2\) がともに鋭角であるから、
\(∠XYZ_1=∠XYZ_2\) より、\(X,Y,Z_1,Z_2\) は同一円周上にあります。また、\(Z_1Z2\) は \(XY\) を垂直二等分するから、円の直径です。その半径を \(r\) とすると \(Z_1Z2=2r\)

\(C\) 上の任意の点(\(≠Z_1,Z_2\))を \(Z\) とすると \(Z,Z_1,Z_2\) は半径 \(r\) の円周上になければならないから、\(∠Z_1ZZ_2=90°\) すなわち、\(C\) 上の点はすべて \(Z_1Z_2\)を直径とする円周上にあることになります。また、逆も題意が成り立ちます。 よって、地図上の島の形は、半径 \(r\) の円です。

【問題3】

\(m,n,p,q\) を整数値とします。\(12m+8n\) の形の整数全体の集合を \(M\) \(20p+16q\) の形の整数全体の集合を \(N\) とします。\(M\) と \(N\) は一致することを証明してください。
(神戸大学)

【解答3】

\(12m+8n=4(3m+2n)\) ・・・・・・・・・・・・・①
\(20p+16q=4(5p+4Q)\) ・・・・・・・・・・・・・②
よって、\(M,N\) はともに \(4\) の倍数

また、\(3・1+2(-2)=1\)
\(5・1+4(-4)=1\)
ですから、任意の正数 \(r\) は、
\(3r+2(-r)、5r+4(-r)\) と書くことができます。したがって、全ての \4\) の倍数は、 \(①、②\) の形に書くことができます。
したがって、 \(M,N\) はともに \(4\) の倍数全部の集合と一致します。よって、 \(M=N\) です。

【問題4】

(1)実数の対 \((a,b)\) について、\(a+bk\) が有理数となる自然数 \(k\) が \(2\) 個以上存在するならば、\((a,b)\) の対は有理数の対であることを証明してください。

(2)実数の \(n\) 個の対 \((a_1,b_1)、(a_2、b_2)、・・・・・・・・、(a_n,b_n)\) が次の性質をもつとします。
\(n+1\) 以下のどんな自然数 \(k\) についても、\(a_1+kb_1、a_2+kb_2、・・・・・・・・・・a_n+kb_n\) のうち少なくとも1つは有理数であるとします。
このとき、対 \(a_i,b_i\) について、\(a_i+kb_i\) が有理数になるような \(k\) の集合を \(M_i\) とします。
\(M_1,M_2、・・・・・・・・・、M_n\) の和集合を求めてください。

(3)上記の \(n\) 個の対の中に有理数が含まれることを証明してください。
(大阪市立大学)

【解答4】

to be continued

【問題5】

平面上に \(n\) 個の点からなる集合 \(A\) が与えられたとします。\(A\) のどの \(2\) 点の距離も \(1\) より小さければ、\(A\) を内部に含む半径 \(\sqrt{3}/2\) の円が存在することを証明してください。
(お茶の水女子大学)

【解答5】

to be continued

 

 

 

 

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