エルミート

エルミートの生い立ち

高校数学では、エルミートの名前はほとんど聞かないでしょうが、大学数学以降ではエルミートの名前は線形代数学などでよく聞くようになります。エルミートは、フランスの著名な数学者です。1822年にロレーヌ地方のデューズで生まれています。パリの名門校であるエコールポリテクニークに入学すべく、名門校「ルイ・ル・グラン」に入学しました。ここには、15年前にあのガロワを数学の天才として特別教育したリシャールというよい教育者がいました。これは、エルミートにとっても幸運でした。その後エコール・ポリテクニークに入学し、かなり遅れてではありましたが、エコール・ノルマル、パリ大学の教授になっています。ルイ・ル・グランから、エコール・ポリテクニークの受験では、数学ばっかりやっていたせいもあって、100人中68番という悪い成績でした。しかし、この受験当時、入学試験委員会にエルミートを越える数学者が何人いたのかと言う状態でした。15年前のガロワを彷彿とさせるものがあります。

エルミートの業績

エルミートはパリ大学では、解析学の講座を担当しました。この解析学の講義はすばらしいものだっとと言われています。その講義ははとても情熱的なものだっとと言われています。常々、「数学をやるには能力だけでは足りない。情熱がなければならない。」言っていたそうです。すぐれた数学者であったとともに、すぐれた教育者でも会ったようです。エルミート門下からは、著名な数学者が多くでています。ダルブー、ポアンカレ、アッペル、ピカール、ボレルなどが上げられます。また逸話として、普仏戦争後のできごとがあります。当時フランスとドイツは仲がよくありませんでした。あるとき、スエーデンの数学者のミッタクルフラーがエルミートを尋ね、大家のもとで解析学の指導を受けようとしました。ところが、エルミートは、「君はとんでもない誤りをした。君はすぐにでも、ベルリンのワイエルシュトラウスをたずねるべきだ。」とし、ワイエルシュトラスがいかに優れた数学者であるかを熱弁したそうです。こんなところにも、エルミートが尊敬されるものがあるのでしょう。

エルミートの数学研究は、楕円関数に何らかの関連を持っています。ガウス、ヤコビ、ディリクレのから多くを学び、楕円関数から研究を始めました。5次方程式は、一般には解の公式がないのは、ガロワとアーベルが独立に証明しています。エルミートは1858年に楕円関数を用いて、5次方程式を解いています。
また、エルミートの発見や証明で有名なものは、\(e\)の超越性の証明があります。つまり、\(e\)を解にもつ代数方程式は存在しないことを証明しました。これが元になり、いろいろな数の超越性を証明しようとする機運がうまれ、リンデマンによって\(π\)の超越性が証明されました。このような機運にともない、1900年の国際数学者会議でヒルベルトが「23の数学の問題」を提出しましたが、その中で第7問題に「種々の数の無理製と超越性の証明」をあげました。これは、1934,1935年に、ゲルフォントとシュナイダーによって証明されています。

 

 

 

 

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