数列とベクトルの問題-解答編-
数列とベクトル
数列とベクトルは数B の単元ですが、融合問題としても出題されることが良くあります。いずれかの問題が2次試験の問題として出題される可能性大です。直前演習として問題を提示いたします。
問題
【問題1】
台形\(ABCD\)において、\(AD=a、BC=b\) \(AD /\!/ BC\)とします。対角線\(AC,BD\)の交点を\(P_1\)とし、\(CD\)上に点\(Q_1\)を\(P_1Q_1/\!/ AD\)となるようにとります。
つぎに、\(AQ_1、DP_1\)の交点を\(P_2\)とし\(CD\)上に点\(Q_2\)を\(P_2Q_2/\!/ AD\)となるようにとります。以下同様に繰り返して、\(n\)回目にできる線分\(P_nQ_n\)の長さを\(x_n\)とします。
(1) \(x_n\)を\(a,b,n\)であらわしてください。
(2) \(△DP_{n+1}Q_n\)の面積を\(F_n\)とし、\(∠DBC=β、∠DCB=γ\)とするとき
\(\displaystyle \sum_{ n= 1 }^{ ∞} F_n\)
を求めてください。(東京大学)
【解答1】
(1) \(P_nQ_n:BC=DP_n:DB\) より \(x_{n+1}=ax_n/(a+x_n)\)
これより、\(1/x_{n+1}=1/x_n+1/a\)
よって、\(1/x_n=(a+nb)/ab\) ⇔ \(x_n=ab/(a+nb)\)
(2) (1)より \(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } x_n=0\) ですから、
\(\displaystyle \sum_{ n= 1 }^{ ∞} F_n=△ADP_1\)
正弦定理より、\(BD=bsinγ/sin(β+γ)\) また \(P_1D:BD=a:b\)
\(P_1D=absinγ/((a+b)sin(β+γ))\)
従って、\(\displaystyle \sum_{ n= 1 }^{ ∞} F_n=1/2・AD・P_1Dsinγ\)
=\(a^2bsinβsinγ/(2(a+b)sin(β+γ))\)
【問題2】
\(xyz\)空間内の正8面体の頂点を\(P_1,P_2,P_3,P_4,P_5,P_6\)とし、ベクトル\(\vec{ v }\)に対し、\(k≠m\)のとき\(\overrightarrow{P_kP_m}・\vec{v }≠0\)が成り立っているとします。このとき、\(k\)と異なる全ての\(m\)に対して、\(\overrightarrow{P_kP_m}・\vec{v}<0\)が成り立つような点\(P_k\)が存在することを示してください。
(京都大学)
【解答2】
\(k≠m\)のとき \(\overrightarrow{P_kP_m}・\vec{v }≠0\) だから、
\((\overrightarrow{OP_m}-\overrightarrow{OP_k})・\vec{v }≠0\) から
\(\overrightarrow{OP_m}・\vec{v }≠\overrightarrow{OP_k}\)
\(\overrightarrow{OP_1}・\vec{v }、\overrightarrow{OP_2}・\vec{v }、・・・・・・・\overrightarrow{P_8}・\vec{v }\)はすべて異なります。
このうち最大のものを、\(\overrightarrow{OP_k}・\vec{v }\)とすれば
\((\overrightarrow{OP_m}-\overrightarrow{OP_k})・\vec{v }<0\)から、\(\overrightarrow{P_kP_m}・\vec{v }<0\)となります。