難関大数学演習-解答編-
難関大数学演習
ここにあげた問題は、京都大学の問題3以外は、解法の方針に迷ったり特別な推論が必要なものではありません。少なくとも難関大志望の受験生であれば、これはできると、試験場で思う問題です。計算は結構面倒なものもありますが、この程度であれば、計算ミスなく確実に得点すべき問題だと思われます。問題3は思考実験をすれば案外すぐに予測できるかも知れません。あとはどう論証するかです。問題は次のリンクです。難関大数学演習
難関大数学演習-解答
【問題1】
\(p,q,\sqrt{2}p、\sqrt[3]{3}q\)がすべて有理数であるとき、\(p=q=0\)であることを示してください。(大阪大学)
【解答1】
背理法で証明するのは、こういう問題の鉄則です。結論を否定し矛盾を導きます。難しくはありません。
【問題2】
2つの関数 \(y=sin(x+π/8)とy=sin2x のグラフの 0≦x≦π/2\)の部分で囲まれる領域を、\(x\)軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めてください。\(x=0とx=π/2\)は領域を囲む線とは考えません。(京都大学)
【解答2】
回転体の体積ですから、2つのグラフの概形がわかれば、あとは数Ⅲの積分をするだけです。
体積は、\(π/16\)です。
【問題3】
素数\(p,q\)を用いて、\(p^q+q^p\)と表される素数をすべて求めてください。(京都大学)
【解答3】
\(p,q\)は素数ですから、これが\(2\)を除く素数であれば、すなわち\(p,q≧3\)の素数なら、その累乗は奇数です。従って\(p^q,q^p\)はともに奇数ですから、\(p^q+q^p\)は偶数となり、素数ではありません。従って次の場合を考えればいいことになります。\(p,q\)の対称性を考えて
ⅰ)\(p=q=2\)のとき、条件をみたしません。
ⅱ)\(p=2,q≧3\)のとき、\(p=2,q=3\)なら、\(p^q+q^p=2^3+3^2=8+9=17\)で条件を満たします。
\(p=2、q>3\)なら、\(q\)は3の倍数ではないから、\(q≡1,2(mod3)\) よって\(q^2≡1(mod3)\) \(q\)は奇数ですから、\(p^q+q^p=2^q+q^2≡2+1≡0(mod3)\)となり、素数ではありません。よって\((p,q)=(2,3)、(3,2)\)
【問題4】
(1) \(α=\sqrt{13}+\sqrt{9+2\sqrt{17}}+\sqrt{9-2\sqrt{17}}\)とします。整数係数の4次多項式\(f(x)\)で、\(f(α)=0\)となるもののうち、最高次の係数が\(1\)のものを求めてください。
(2) 実数\(±\sqrt{13}±\sqrt{9+2\sqrt{17}}±\sqrt{9-2\sqrt{17}}\)(複合はすべての組み合わせを考えます。)のうち、(1)で求めた\(f(x)=0\)の解となるものを求めその他は解でない事を示してください。
(3) (2)の解の大小関係を示してください。
(名古屋大学)
【解答4】
(1) \((α-\sqrt{13})^2=(\sqrt{9+2\sqrt{17}}+\sqrt{9-2\sqrt{17}})^2\)から,\(α^2-2\sqrt{13}+13=18+2\sqrt{13}\) よって\(α^2-5
=2\sqrt{13}(α+1\) これを両辺2乗して、\(α^4-62α^2-104α-27=0\) よって、\(f(x)=x^4-62x^2-104x-27\)
(2) 同様に考えて、\(α+\sqrt{13}=±(\sqrt{9+2\sqrt{17}}-\sqrt{9-2\sqrt{17}})\) であっても \(α^2-5=-2\sqrt{13}(α+1)\)から解となる。よって、\(α=\sqrt{13}±(\sqrt{9+2\sqrt{17}}+\sqrt{9-2\sqrt{17}})、α=-\sqrt{13}±(\sqrt{9+2\sqrt{17}}-\sqrt{9-2\sqrt{17}})\)
(3) 大小は、\(\sqrt{13}+\sqrt{9+2\sqrt{17}}+\sqrt{9-2\sqrt{17}}>-\sqrt{13}+\sqrt{9+2\sqrt{17}}-\sqrt{9-2\sqrt{17}}\)
\(>\sqrt{13}-\sqrt{9+2\sqrt{17}}-\sqrt{9-2\sqrt{17}}>-\sqrt{13}-\sqrt{9+2\sqrt{17}}+\sqrt{9-2\sqrt{17}}\)