113番目の元素-日本に命名権-
113番目の元素-入試にでるかもしれません-
元素の周期律表は、ロシアのメンデレーエフの発見で有名です。2015年12月31日に第7周期の人工的に作られた元素で、113番目の元素の発見者として、理研のグループが国際機関から認定され、113番目の元素の命名権が与えられると発表がありました。第7周期には、アクチノイド元素もあり、Cm(キュリウム)、Cf(カルホニウム)、Es(アインシュタニウム)、No(ノーベリウム)などもありますがこれらは人工的に作られた元素です。
理研のチームが、どのような名前をつけるかはとても注目されるところではありますが、Jp(ジャポニウム)とかSk(サクラニウム)などはどうでしょうか。今年の命名発表が楽しみです。
113番目の元素の発見課程
113番目の元素は、原子番号30のZn(Zinc 亜鉛)のビームを原子番号83のBi(ビスマス)に衝突させ、核融合反応で、原子番号113=30+83の元素を発見しました。実験を行ったのは理研の森田研究ディレクター(九州大教授)のグループで、理研の重イオン線形加速器を使いました。この元素は、4回のアルファ崩壊(He原子核で陽子2個)を行い、原子番号113-2*4=105のBh(ボーリウム)が生成されることを確認し、その後自発的な核分裂も確認され、新元素に間違いないことが確かめられました。
まだ、未決定の元素は113番目の元素以外にも、115番目、117番目、118番目の元素も命名される予定になっているようです。
また、2015年は、梶田隆章東大宇宙線研究所長のニュートリノ振動の発見(ニュートリノの質量の存在証明)によるノーベル物理学賞受賞がありましたし、今後の元素や原子、素粒子研究に大きくつながるものと思われます。またアインシュタインの相対論以降の物理理論である標準理論も確実に書き換えられようとしていますし、今後もスーパーカミオカンデや今回の理研の重イオン加速器、ヨーロッパのCERNの加速機による実験、検証で2016年は新たな物理現象や理論が発見されると期待しています。