整数解の問題-難関大・解答編-

整数解の難関大の問題

整数に関する問題は、数ⅠAの範囲に入りますが、数学の分野でも整数論、有理数論、素数論はとても難しい分野になります。大学受験では、超難問は余り出題されないと思いますが、難関大などでは結構難しい問題が誘導付などで出題される場合があります。演習をよくやってください。問題のリンクは次です。整数解の問題-難関大-

整数解-難関大・解答編-

【問題1】

\(x^n+y^n+z^n-n・xyz\) が  \(x+y+z\) で割り切れるような自然数\(n\)を求めてください。

【解答1】

\(x^n+y^n+z^n-n・xyz=(x+y+z)・f(x,y,z)\)・・・・・・① \(f(x,y,z)はx,y,zの整式\)とおくと、①が全ての \(x,y,z\)で成り立つような\(n\)を求めればよいことになります。①において、\(z=-x-y\)とおけば、\(x^n+y^n+(-1)^n・(x+y)^n=-nxy(x+y)\)・・・・・②  ②の左辺は、\(x,y,z\)の\(n\)次式、右辺は、\(3次式\)ですから、\(n=3\)となります。逆に、\(n=3\)なら、\(x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)\)となり、\(x+y+z\)で割り切れます。従って、\(n=3\)です。


【問題2】

1以上の整数全体の集合を\(I\)とし、\(x \in I,y\in I\)を満たす\(x,y\)について、\(S=40x+13y\)となる\(I\)の部分集合を考えます。\(S\)はある整数\(n\)以上の全ての整数を含むことを示し、その\(n\)の最小値を求めてください。

【解答2】

\(S=n\)とすると、\(40x+13y=n\)・・・・・・・・・① となります。①式で\(n=1\)を満たす特殊解を求めると、\(40・1+13・(-3)=1\)であるから、\(40・n+13(-3n)=n\)・・・・② ここで、①-②から、\(40(x-n)-13(y+3n)=0\)から、\(40(x-n)=13(y+3n)\)・・・③ となります。\(40と13\)は互いに素ですから、\(x-n=13m,y-3n=40m\)となり、\(x=n+13m,y=-3n+40m\) となります。ここで、\(m\) は整数です。\(x>0,y>0\)だから、\(-1/13・n<m<3/40・n\)となります。これを満たす整数\(m\)が存在するためには、\(3/40・n-(-1/13)・n>1\)から、\(4/51・n>1\)となり、最小の\(n\)は\(n=16\)

注)\(ax+by=1\) の特殊解を求めるには、自然数\(a,b\)が小さな数であれば,暗算で求められますが、大きな数の場合は、ユークリッドの互除法を使わないと求めることは相当難しくなります。

 

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