国立難関大医学部千葉大医学部-解答編-

国立難関大千葉大医学部

すこし驚くような組合せの式も見受けられますが、すこし計算してみるとそれほどたいした事はなく、計算問題であると気がつけばしめたものです。他の2問も標準的な問題です。きちんと時間計算をして、問題に取り組めば高得点も望めると思います。しかし、千葉大の医学部には、首都圏初め有名校の相当できる人が受験すると思われますので、計算ミスなどの不注意には十分気をつけてください。問題・解説は次のリンクです。国立難関大医学部入試問題

千葉大医学部の問題の解答

【問題1】

\(1から9\)まで番号をつけた9枚のカードがあります。これらを1列に並べる試行を行うものとします。

(1)下記の条件(A)が成り立つ確率を求めてください。
(2)下記の条件(B)が成り立つ確率を求めてください。
(3)条件(A)、(B)が同時に成り立つ確率を求めてください。

条件(A)、(B)は下記の通りとします。

(A)番号1のカードと番号2のカードは隣り合わない。
(B)番号8のカードと番号9のカードの間には、ちょうど1枚のカードがある。

【解答1】

(1)補集合を考え隣り合った\(1,2\)を並べ、残りのカードを並べる確率を考え\(1\)から引けばいいですから、\(1-2!8!/9!=7/9\)

(2)\(8、9\)の並び方は、2通りで、この間にカードをいれるのは、\(7\)通り、これに残りのカードを並べればいいから、\(7・2・7!/9!=7/36\)

(3)\(8と9\)の間に\(1\)を入れるのは、\(2・7!\)通り、\(8と9\)の間に\(2\)を入れるのも同様に、\(2・7!\)通り、また、\(8と9\)の間に\(3~7\)を入れるのは,\(2・5・5!\)通りであり、両端に\(1,2\)を並べるのは、\({}_6 \mathrm{ P }_2\)通りですから、求める確率
は、\((2・7!・2+2・5・5!+({}_6 \mathrm{ P }_2)/9!=13/84\)

【問題2】

\(a,b\)を実数とし、\(a>0\)とします。放物線\(y=x^2/4\)のうえに\(2点A(a,a^2/4)、B(b,b^2/4)\)をとります。点\(A\)における放物線の接線と法線を、\(l_A、n_A\)、点\(B\)における接線と法線を、\(l_B、n_B\)とします。このとき、\(l_Aとl_B\)が直交し、\(l_A、l_Bの交点をP\)、\(n_A、n_Bの交点をQとします。\)
(1)\(P,Q\)の座標を、\(a\)で表してください。
(2)長方形\(AQBP\)の面積が最小になる\(a\)の値と、面積を求めてください。

【解答2】

(1)\(l_A,l_B\)は直交するから、\(a/2・b/2=-1\)ですから、\(b=-4/a\)・・・・・・①
\(l_A、l_B\)の方程式は、\(y=a/2・x-a^2/4,y=b/2・x-b^2/4\)となります。
従って交点は、\(P(a/2-2/a,-1)\) となります。ここで四角形は長方形ですから、\(AB,PQ\)の中点は一致します。これより、\(Q(a/2-2/a,a^2/4+4/a^2+1)\)

(2) (1)より、\(P,Q\)の\(x座標\)は等しいから、\(PQ=(a/2+2/a)^2\)また、\(A\)から、\(PQ\)へおろした垂線を、\(AH\)とすると、\(AH=a/2+2/a\)となります。従って、
\(AQBP=2・1/2・PQ・AH=(a/2+2/a)^3\)となります。ここで、\(a>0\)より相乗平均、相加平均の関係から、\(a/2+2/a≧2\sqrt{a/2・2/a}=2\)です。
よって、\(AQBP\)の最小値は、\(2^3=8\)で等号は、\(a=2\)で成り立ちます。

【問題3】

\(整数p,q (p≧q≧0\)に対して、2項係数を\({}_p \mathrm{ C }_q=p!/q!(p-q)!\)で定めるものとします。
(1)\(n,k\)が0以上の整数のとき、\({}_{n+k+1} \mathrm{ C }_{k+1}x(1/({}_{n+k} \mathrm{ C }_k-{}_{n+k+1}\mathrm{ C }_k))\)は、\(n\)によらない値になる事を示してください。

(2)\(mがm≧3\)の整数とするとき\(1/{}_3 \mathrm{ C }_3+1/{}_4 \mathrm{ C }_3+・・・・・・・+1/{}_m \mathrm{ C }_3\)を求めてください。

【解答3】

(1) \({}_{n+k+1} \mathrm{ C }_{k+1}x(1/({}_{n+k} \mathrm{ C }_k-{}_{n+k+1}\mathrm{ C }_k))\)
=\((n+k+1)/(k+1)-(n+1)/(k+1)=k/(k+1)\)

(2) \(1/{}_3 \mathrm{ C }_3+1/{}_4 \mathrm{ C }_3+・・・・・・・+1/{}_m \mathrm{ C }_3= \displaystyle \sum_{k=3}^{m}・1/{}_k \mathrm{ C }_3\)
= \(\displaystyle \sum_{k=3}^{m}(6/k(k-1)(k-2)) =3\displaystyle \sum_{k=3}^{m}(1/(k-1)(k-2)-1/k(k-1))\)
=\(3(m+1)(m-2)/(2m(m-1))\)

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