数列に関する難関大の問題-解答編-
数列に関する難関大の問題
数列の漸化式は、2項間、3項間の漸化式、階差数列、部分和などがその基本的な解法のテクニックです。難関大では、直接上記の漸化式で解けるものもありますが、一工夫必要なものがよく出題されます。すこし複雑な漸化式をみたら、どうやったら基本的な解法に持っていけるのかを考えてください。必ず解法の糸口があるはずです。解説、問題のリンクは次にあります。数列に関する難関大の問題
数列に関する難関大の問題の解答
【問題1】
\(a_n^2a_{n-2}=a_{n-1}^3\) という規則でえられる正の数列\({a_n}\)において、\(a_1=1,a_2=10\)とします。\({a_n}\)をもとめ、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n\)を求めてください。(慶応大)
【解答1】
\(a_n>0\)より、\(a_n^2a_{n-2}=a_{n-1}^3\)の常用対数をとり、\(\log_{10}a_n=b_n\)とおくと、\(2b_n+b_{n-2}=3b_{n-1}\)・・・・・・① ①から、\(b_n-b_{n-1}=1/2(b_{n-1}-b_{n-2}\)となりますから、\(b_n=b_1+2(1-(1/2)^{n-1}=2-(1/2)^{n-2}=\log_{10}a_n\) よって、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_n=\log_{10}\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n=2\)ですから、
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n=10^2=100\)
【問題2】
数列\({a_n}、{b_n}\)が、条件\(a_1=1、b_1=8、a_n>0、b_n>0、a_{n+1}^2=a_{n+1}b_n、b_{n+1}^2=a_{n+1}b_n (n=1,2,3、・・・・・・)\)を満たすとします。
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n\)、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_n\)を求めてください。(早稲田大)
【解答2】
\(a_1=1、b_1=8\)・・・・・・・①
\(a_{n+1}^2=a_{n+1}b_n、b_{n+1}^2=a_{n+1}b_n\)・・・・・・・・・②
②から、\(a_{n+1}b_{n+1}=a_nb_n\)・・・・・・・・・・③となり、数学的帰納法より
全ての\(n\)で③が成り立つことが示せます。よって、\(a_nb_n=a_1b_1=8\)・・・・④
また、②式から、\((a_{n+1}/b_{n+1})^3=a_n/b_n\)も数学的帰納法で成り立つことが証明できます。ここで、\(a_n/b_n=x_n\)とおくと\(x_n=(1/8)^{(1/3)^{n-2}}\)
これから、\(b_n=\sqrt{2^{(1/3)^{n-2}}・2^3}\)、\(a_n=2^3・\sqrt[-1/2]{2^{(1/3)^{n-2}}・2^3}\) 以上より、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n=\displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_n=2\sqrt{2}\)
【問題3】
\(x_1、x_2,・・・・・・;y_1、y_2・・・・・・・\)のおのおのが\(0または1\)をとるとき、一般に、\((x_1,y_1、x_2,y_2,・・・・・・・、x_p,y_p)\)の組のなかで、\(x_1y_1+x_2y_2+・・・・・・x_py_p\)が偶数(0を含みます)、奇数になるものの個数を、それぞれ\(f_p,g_p\)とするとき、\(f_n=2^{n-1}(2^n+1)、g_n=2^{n-1}(2^n-1)\)となることを示してください。(東京工大)
【解答3】
\(P=x_1y_1+x_2y_2+・・・・・・x_py_p、Q=x_{p+1}y_{p+1}\)とおくと、\(P+Q\)が偶数になるのは、\(P,Q\)がともに偶数か、ともに奇数のときに限ります。
(1)\(P,Q\)が偶数のとき、\((x_{p+1}、y_{p+1})=(0,0)、(1,0)、(0,1)\)ですから、\(3f_p\) (2)\(P,Q\)が奇数のときは、\(g_p\)です。
よって、\(f_{p+1}=3f_p+g_p、g_{p+1}=f_p+3g_p\)となります。・・・・・・①
①から、\(f_{p+1}+g_{p+1}=4(f_p+g_p),f_{p+1}-g_{p+1}=2(f_p-g_p)\)
よって、\(f_n+g_n=2^{2n}\)・・・・・・・・・②
\(f_n-g_n=2^{n}\)・・・・・・・・・・・③
従って、\(f_n=2^{n-1}(2^n+1)、g_n=2^{n-1}(2^n-1)\) です。