実力演習-東工大・解答編Ⅰ-

実力演習・東工大-解答Ⅰ

実力演習の解答のうち整数解の問題の解答です。
【問題1】は計算問題ですが、【問題2】は考えにくい何を言っているのか
分かりにくい問題です。落ち着いて、考えて見ましょう。他の【問題】は別講義に
します。問題リンクです。実力演習-東工大編-

整数問題の解答

【問題1】

3以上の奇数\(n\)に対して、\(a_n、b_n\)を次のように定めます。

\(a_n=1/6・\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n-1 } (k-1)k(k+1)\)

\(b_n=(n^2-1)/8\)

(1)\(a_n,b_n\) はどちらも整数である事を示してください。

(2)\(a_n-b_n\) は、4の倍数であることを示してください。

【解答1】

(1) \((k-1)k(k+1)\)は、連続する3つの整数ですから、\(2x3=6\)
の倍数です。
よって、
\(a_n=1/6・\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n-1 } (k-1)k(k+1)\)
は、整数です。

\(b_n=(n^2-1)=(n+1)(n-1)\) で、\(n\)は奇数ですから、
\((n+1)、(n-1)\) はともに、偶数でどちらかは、\(4\)の倍数ですから、
\((n^2-1)=(n+1)(n-1)=2・2・4=16\)の倍数です。
よって、\(b_n\)は整数です。

(2) \(a_n-b_n=1/24・(n-2)(n-1)n(n+1)-1/8・(n-1)(n+1)\)
=\(1/24・(n+1)^2(n-1)(n-3)\)・・・・・・・① となります。

\(n\)は奇数ですから、\(n=2k-1、kは整数\) とおけます。

①より、\(a_n-b_n=1/24・k^2・(2k-2)(2k-4)\)
=\(2/3・k^2・(k-1)(k-2)\) となります。
\(k(k-1)(k-2)\)は、6の倍数です。
従って、\(a_n-b_n\)は、4の倍数となります。

【問題2】

\(n\)を相異なる素数、\(p_1,p_2,・・・・・・・・・,p_k (k≧1)\)の積とします。

\(a,b\)を\(n\)の約数とするとき、最大公約数を\(G\)、最小公倍数を、\(L\)
とし、\(f(a,b)=L/G\)とします。

(1)\(f(a,b)がn\)の約数である事を示してください。

(2)\(f(a,b)=bならば、a=1\)であることを示してください。

(3)\(m\)を自然数とするとき、\(m\)の約数であるような素数の個数を
\(S(m)\)とします。

\(S(f(a,b))+S(a)+S(b)\) が偶数である事をしめしてください。

【解答1】

(1) 題意より、\(Lもnの約数\)、従って\(Gもnの約数\)
よって、\(f(a,b)=L/G\)は、整数で、\(n\)の約数です。

(2) 題意より、\(a=Gm、b=Gn\)とかけます。\(L=Gmn\)
ですから、\(f(a,b)=mn=b=Gn\)
よって、\(G=m\) 従って、\(a=G^2\)で\(a,G\)は素数だから、
\(a=1\)です。

(3) (2)の\(G,m,n\)を用いて、

\(S(f(a,b))+S(a)+S(b)=S(m,n)+S(Gm)+S(Gn)\)・・・・・・①
\(a,b\)は互いに素ですから、 \(G,m,n\)も互いに素です。

よって、①から、
\(S(f(a,b))+S(a)+S(b)=S(f(a,b))+S(a)+S(b)\)
=\(S(m)+S(n)+S(G)+S(n)+S(G)+S(m)\)
=\(2(S(G)+S(n)+S(m)\)=偶数

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