微積分-理系での必須項目・解答編-

微積分-難関理系数学での必須単元

数学Ⅲの微積分は、大学で学ぶ解析学につながるものです。入試問題でも頻出項目ですから、演習を十分やっておきましょう。微積分-理系の必須項目

微積分の解答

【問題1】

(1)\(a\)を1より大きい実数とします。0以上の任意の実数xに対して、次の不等式が成り立つことを示してください。

\(log2+x/2・loga≦log(1+a^x)≦log2+x/2・loga+x^2/8・(loga)^2\)

(2)\(n=1,2,3・・・・・・\)に対して、\(a_n=((1+\sqrt[n]{3}/2)^n\)とするとき
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n\) を求めてください。
(大阪大)

【解答1】

(1)\(f(x)=log(1+a^x)-(log2+x/2・loga)\) とおくと、
\(f(x)=log(1+a^x)-log2a^(x/2)=log(a^(x/2)-1)^2≧0\)
よって、\(log2+x/2・loga≦log(1+a^x)\)

また、\(g(x)=(log2+x/2・loga+x^2/8・(loga)^2)-log(1+a^x)\)とおく
と、
\(g’(x)=loga/2+x/4・(loga)^2-a^xloga/(1+a^x)\)
\(g’’(x)=(loga)^2/4-a^x(loga)^2/(1+a^x)^2\)
=\((1-a^x)^2/4(1+a^x)^2・(loga)^2>0\)
よって、\(g’(x)\)は単調増加で、\(g’(0)=0\)より、\(g(x)\)は単調増加で、
\(g(0)=0\)だから、
\(log(1+a^x)≦log2+x/2・loga+x^2/8・(loga)^2\)

(2)\(a_n=((1+\sqrt[n]{3}/2)^n\)だから、
\(loga_n=n{log(1+\sqrt[1/n]{3})-log2}\)

(1)で\(a=3,x=1/n\)とおくと、不等式は、

\(1/2n・log3≦log(1+\sqrt[1/n]{3}-log2≦\)
\(1/2n・log3+1/8n^2(log3)^2\)

よって、\(1/2log3≦loga_n≦1/2・log3+1/8n・(log3)^2\)

\(1/2log3≦\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n≦1/2log3\)
従って、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n=\sqrt{3}\)

【問題2】

平面上に2つの曲線 C :\(y=e^(2x)+1\)、\(D:y=-x^4+14x-49\)がある。
点P,QがそれぞれC上とD上を動くとき、線分\(PQ\)の長さの最小値をもとめてください。(首都大学東京)

【解答2】

\(C\)上の点\(P(p,s)\)、\(D\)上の点\(Q(q,t)\)とすると、
\(PQ^2=(q-p)^2+(t-s)^2\)・・・・・・①

ここで、Pを固定して、Qを動かすと、
\(d/dq(PQ^2)=2(q-p)+2((t-s)(dt/ds)\)
\(PQ\)は、\(PQ^2\)が最小になる点Q_0とき、最小となります。
よって、\(d/dq(PQ^2)=0\)から、

\(dt/ds=-(q-p)/((t-s)、dt/dq・{(t-s)/(p-q)}=-1\)
よって、\(D\)の\(Q_0\)における接線は、\(PQ_0\)と直交することになります。
同様に考えると、\(PQ\)を最小にする点を、\(P_0,Q_0\)とすると、
\(P_0Q_0\)は、\(C,D\)の共通法泉となります。
\(P_0(0,2)、Q_0(6,-1)\)より、
最小値は,\(P_0Q_0=\sqrt{6^2+(-3)^2}=3\sqrt{5}\)

【問題3】

(1)nを正の整数とします。\(-π/2≦x≦π/2\)の範囲において、

\(f_n(x)=sinnx/sinx (-π/2≦x≦π/2、x≠0)\)
=\(c_n (x=0)\)

で定義される関数\(f_n(x)\)が、連続関数になるような定数\(C_n\)
を求めてください。

(2)任意の正の整数nに対して、

\(\displaystyle \int_{ -π/2}^{π/2} f_{2n+1}(x) dx\)

の値を求めてください。(東大)

【解答3】

(1)\(x≠0\)のとき、\(sinnx、sinx\)は連続であるから、\(f(x)\)も連続となります。
よって、\(f(x)\)が連続である条件は、
\(\displaystyle \lim_{ x \to 0} f(x)=f(0)\)が成り立つことです。

\(\displaystyle \lim_{ x \to 0 } f(x)\)
=\(\displaystyle \lim_{x\to 0 }(sinnx/sinx)=n\)
よって、\(c_n=n\)

(2)\(I_n=\displaystyle \int_{-π/2}^{π/2} f_{2n+1}(x) dx\)とします。

\(I_(n+1)-I_n=\displaystyle \int_{-π/2 }^{π/2 } {sin(2n+3)x-sin(2n+1)x}/sinxdx\)
=\(2\displaystyle \int_{-π/2}^{π/2}cos(2n+2)xdx=0\)

よって、\(I_(n+1)=I_n\)

従って、\(I_n=I_1=\displaystyle \int_{-π/2}^{π/2} f_3(x)dx=π\)

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