図形と計量-解答編
図形と計量
図形と計量の問題の解説をいたしました。その解答を書いておきます。講義、問題編は、以下です。図形と計量-空間図形は頻出です-
図形と計量に関する問題
【問題1】
△ABCは鋭角三角形とします。このときすべての面が△ABCと合同な4面体が存在することを証明してください。(京都大)
【解答1】
BC=a、CA=b、AB=cとします。3角形ABCは鋭角三角形ですから、\(a^2+b^2>c^2、b^2+c^2>a^2、c^2+a^2>b^2\)となります。このとき、\(x^2=1/2(c^2+a^2-b^2)、y^2=a^2+b^2-c^2)、z^2=(b^2+c^2-a^2\) とおくと、右辺はすべて正であり、この3式を満たす正の数、x,y,zが存在します。ここで、垂直に交わる直方体で、3辺がx,y,zのものを構成すると、 \(x^2+y^2=a^2、y^2+z^2=b^2、z^2+x^2=c^2\)が成り立ちます。直方体の4つの頂点を通る4面体は、4つの各面は合同である事が分かります。従って、各面すべてが△ABCと合同な4面体が存在することが証明されました。
【問題2】
1辺の長さが3の正4面体ABCDがあり、辺BDを2:1内分する点をEとします。点Pが辺BC上を動き、点Qが辺CDを動くとします。
(1)線分AP,PQ,QEの長さの和の最小値を求めてください。
(2)このとき、4面体APQEの体積を求めてください。
【解答2】
(1) 4面体の展開図を書いて考えます。4面体の展開図は、△BCDを真ん中において、AをA1、A2、A3とすれば、△ABC、△ACD、△ABDを開くと、正三角形△A1A2A3ができます。BDの2:1に内分する点が、Eですから、A2Dを2:1に内分する点をE’とすれば、AE’が最小値となります。なぜなら、AP+PQ+QE≧AP+PQ+QE’≧A1E’だからです。\(A1E^2=6^2+2^2-2・6・2cos60°=28\) となりますから、求める最小値は、\(2\sqrt{7}\)です。
(2)底面を△PQEとすると、△PQE=△BCD-(△BPE+△CQP+△DEQ)=\(\sqrt{3}/2\) 、また、\((高さ)^2=3^2-(3sin^260°・2/3)\)=6となりますから、高さ=\(\sqrt{6}\)です。従って、4面体APQE=1/3・\(\sqrt{3}\sqrt{6}/2\)=\(\sqrt{2}\)/2 となります。