極限値について-解答編-
極限値について
極限値の基本と問題を提示いたしました。そこであげた問題の解答です。
関連する講義と問題は、ここにあります。極限値について-曲線の接線や導関数-
極限値に関する問題
【問題1】
実数a,bに対して、連続関数f(x)が、\( \lim_{\ x \to 1} f(x)/(x-1)\)=a, \( \lim_{\ x \to 2} f(x)/(x-2)\)=b を満たしているとします。
このとき、ab>0の場合、1≦x≦2 の範囲で f(x)=0 は少なくとも3つの解を持つことを証明してください。
【解答1】
f(x)は、連続関数ですから、f(1)=\( \lim_{\ x \to 1} f(x)\)=\( \lim_{\ x \to 1} f(x)/(x-1)\)(x-1)=a・0=0、同様にf(2)=0 となります。よって、これらと条件式から、f'(1)=\( \lim_{\ x \to 1}( f(x)-f(1))/(x-1)\)=a となります。同様にして,f'(2)=bとなります。ここで、g(x)=\(f(x)/(x-1)-f(x)/(x-2)\) とおくと、
\( \lim_{\ x \to 1} g(x)\)=\( \lim_{\ x \to 1} f(x)/(x-1)\)-\( \lim_{\ x \to 1} f(x)/(x-2)\)=a-0=a となります。同様に\( \lim_{\ x \to 2} g(x)\)=\( \lim_{\ x \to 2} f(x)/(x-1)\)-\( \lim_{\ x \to 2} f(x)/(x-2)\)=-b です。
よって、\( \lim_{\ x \to 1} g(x)\)・\( \lim_{\ x \to 2} g(x)\)=-ab<0
また、\(g(x)=-f(x)/((x-1)(x-2))\)は、1<x<2で連続ですから、中間値の定理から g(x)=0すなわちf(x)=0を満たす1<x<2の実数xが存在します。これと、f(1)=0、f(2)=0から、題意は成り立ちます。
【問題2】
a>0,b>0のとき、\( \lim_{\ x \to\infty } \sqrt[1/n]((a^n+b^n)/2)\) を求めてください。
【解答2】
a≧b>0のときは、\(a^n+b^n≦2a^n\) より、\(a<\sqrt[1/n]((a^n+b^n)/2)\)<\(\sqrt[1/n]2・a→a\)(n→∞)
また、b≧a>0のときは、同様にして、bに収束します。従って、\( \lim_{\ x \to\infty } \sqrt[1/n]((a^n+b^n)\)=max{a,b}です。よって、
\( \lim_{\ x \to\infty } \sqrt[1/n]((a^n+b^n)/2)\)=\( \lim_{\ x \to\infty } \sqrt[1/n]((a^n+b^n)/\sqrt[1/n]2\)=max{a,b} となります。
【問題3】
lim(n→∞)\(\sqrt[1/n]{1+1/2+1/3+\cdots+1/n}\) を求めてください。
【解答3】
1<\(\sqrt[1/n]{1}\)<\(\sqrt[1/n]{1+1/2+\cdots+1/n}\)=exp{1/n・(1+1/2+・・+1/n)}<exp{logn/n}→1(n→∞)