3角関数-公式のたくさんある単元をどう克服するか-
3角関数について
3角関数は、たくさんの公式のあるところで、いちいち全部公式を覚えるのは大変ですし、無駄のように思っています。3角関数で基本的に覚えておかなくてはならない事項や公式は、単位円と加法定理です。これさえ覚えておけば、大概の公式は直ちに導くことができます。もっとも、問題演習をする過程の中で、公式を覚えてしまうこともあると思いますが、それはそれで、試験での時間短縮になるわけですから、覚えておくことに越したことはありません。
単位円について
半径1の円上に点P(x,y)をとり、o-Xの正方向とOPの反時計回りの弧度法での角度をθ、OP=rとすると、sinθ=y/r、cosθ=x/r、tanθ=y/x(x≠0)であらわされます。θは、単位円上を何回周ってもかまいません。θの位置とθ+2n/πの位置は同一の点となります。
加法定理
角α、βにたいして、
\(sin(α±β)=sinαcosβ±cosαsinβ\)、\(cos(α±β)=cosαcosβ\mp sinαcosβ\) です。この加法定理から、2倍角、3倍角、半角の公式や、積和、和積公式もでてきます。ただ、かつてこの加法定理そのものを証明しなさいという問題が東大に出題されたことがありますから、基礎は確実にマスターしておくべきだとおもいます。
3角関数についての問題
【問題1】
a=sin20°、b=40°、c=80° とするとき、\(a^3+b^3-c^3\)の値を求めてください。
【問題2】
三角形ABCにおいて、\(cosA+cosB+cosC\) のとりうる値の範囲を求めてください。
【問題3】
不等式 \(asinθ+cosθ<a\) を満たすθが、0<θ<π/2 の中に少なくとも1つ存在するような実数aの範囲を求めてください。