数学の証明法-解答編-

証明の問題

数学の証明法には、直接証明法、間接証明法などがあることを説明いたしました。命題が真であるときの証明ですが、偽であるときは反例を1つあげれば十分です。問題演習の解答編です。証明の解説と問題は、次にあります。数学の証明法

証明問題の解答

問題1】

nを自然数、rを正の有理数とします。このとき  \(\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } \frac{1}{xk}\) =r を満たす自然数の組 (x1,x2,x3,・・・・・・,xn) の個数は有限であることを示してください。(東工大)

【解答1】

自然数の組(x1,x2,x3,・・・・・・,xn)が有限であることを示せばいいことになります。x1≦x2≦x3≦・・・・・・・≦xn とおきます。
r=1/x1+1/x2+・・・・・・+1/xn≦n/x1 となりますから、x1≦n/r です。
ここで、x1は自然数ですから、x1=1,2,3,・・・・・・・,[n/r]となり、x1は有限個となります。x1が、ある自然数mをとったとすると、1/m+1/x2+・・・・・・+1/xn=r となり、1/x2+・・・・・・+1/xn=r-1/m=r’ です。x1と同様にして
r’≦(n-1)/x2から、x2=1,2,3・・・・・,[(n-1)/r’] となりますから、x2も有限です。以下同様にすれば,x3,x4,・・・・・・・,xn もすべて有限となります。ここで、x1≦x2≦x3≦・・・・・・・≦xn の条件をなくしたとしても、数値の並べ替えをすれば、上の不等式になります。従って自然数の組(x1,x2,x3,・・・・,xn)は有限です。

【問題2】

π/4<\(\int_0^1 \sqrt{1-x^4} dx\)<\(\sqrt{2}/4・π\) を証明してください。

【解答2】

0≦x≦1の範囲では、\(x^2≧x^4\) ですから、\(\sqrt{1-x^2}\)≦\(\sqrt{1-x^4}\)となります。従って
\(\int_0^1 \sqrt{1-x^2} dx\)<\(\int_0^1 \sqrt{1-x^4} dx\)です。また、\(\int_0^1 \sqrt{1-x^4} dx\)=\(\int_0^1 \sqrt{1-x^2}\sqrt{1+x^2} dx\)<\(\sqrt{2}\int_0^1 \sqrt{1-x^2} dx\) です。ここで、
\(\int_0^1 \sqrt{1-x^2} dx\)<は、x=sinθで置換積分すれば、\(\int_0^1 \sqrt{1-x^2} dx\)=π/4 となります。以上から、
π/4<\(\int_0^1 \sqrt{1-x^4} dx\)<\(\sqrt{2}/4\)・πとなります。

【問題3】

多項式列、P0(x)=0,P1(x)=1,P2(x)=1+x,・・・・・・・,Pn(x)=\(\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } x^k\) ・・・・・・・ を考えます。

(1)正の整数n,mに対して、Pn(x)をPm(x)で割った余りはP0(x),P1(x),・・・・・,Pm-1(x)のいずれかであることを証明してください。

(2)等式 P1(x)・Pm(\(x^2\))・Pm(\(x^4\))=P100(x)が成立する(l,m,n)をすべて求めてください。   (東大)

【解答3】

(1)nをmで割った商をq、余りをrとすると、(0≦r≦m-1)n=mq+rとかけます。また、Pn(x)=\(\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } x^k\)=\(x^{n-m}\displaystyle \sum_{ i = m-1 }^{ 0} x^k\)+\(x^{n-2m}\displaystyle \sum_{ i = m-1 }^{ 0} x^k\)+・・・・・・・・+\(x^{n-mq}\displaystyle \sum_{ i = m-1 }^{ 0} x^k\)+\((x^{r-1}+・・・・・・・+1)\)=\((x^{n-m}+x^{n-2m}+・・・・・・・+x^{n-mq})\)Pm(x)+Pr(x)  よって、Pn(x)をPm(x)で割るとあまりは、Pr(x)ですから、題意は証明されました。

(2)\(Pl(x)Pm(x^2)Pn(x^4)=P100(x)\)・・・・・① において、\(Pl(x)=1+x^2+・・・・+x^{l-1}\) に1-xをかけると、\((1-x)Pl(x)=1-x^l\) となります。同様にして、①に\((1-x)(1-x^2)(1-x^4)\) をかけると、\((1-x^l)(1-x^{2m})(1-x^{4n})\)=\((1-x^2)(1-x^4)(1-x^100)\) となります。よって、l,2m,4nは、2,4,100となります。(*)これから、(l,m,n)=(100,1,1),(2,50,1),(2,2,50)(4,1,25) となります。

(*)は厳密には、証明する必要があります。かなりの難問だといえます。場合わけして、求めてももちろん正解に達します。

【問題4】

次の数字のうち、すべては素数で無いことを証明してください。素数と合成数が含まれているということです。

31

331

3331

33331

333331

3333331

33333331

333333331

【解答4】

333333331=17x19607843ですから、素数ではありません。従って、証明終わりです。他はすべて素数です。

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