ベクトルの定義と演算-空間ベクトルの考え方-

空間ベクトル

空間ベクトルは、平面ベクトルに比べてイメージしにくいので、問題が難しく感じられると思いますが、慣れの問題でもありますから、演習をやって基本をしっかり理解してください。

空間ベクトルの問題の解答

【問題1】

空間に4点o(0,0,0),A(0,0,1),B(2,0,0),C(0,2,0) があるとします。点oから△ABCに垂線をおろしたときの交点をHとします。

(1)a,bを実数とします。\(\vec{v}\)=(a,b,1) としたとき、\(\vec{v}\)が\(\overrightarrow{ AB }\), \(\overrightarrow{ AC }\) の両方に直交するようなa,bを求めてください。

(2)4面体OABCの体積Vおよび△ABCの面積Sを求めてください。

(3)4面体OABCに内接する球の半径rを求めてください。

【解答1】

(1)\(\overrightarrow{ OA }\)=(2,0,-1), \(\overrightarrow{ OB }\)=(0,2,-1), \(\vec{v}\)⊥\(\overrightarrow{ AB }\),\(\overrightarrow{ AC}\)ですから、内積を考えて、a,bについて解くと、(a,b)=(1/2,1/2) となります。

(2)OABCの体積Vは、1/3・2・2・1=2/3となります。△ABCを底面と見ると、高さは\(\overrightarrow{ OH}\)の大きさとなります。 \(\vec{v}\)=(1/2,1/2,1)より、実数kを用いて、\(\overrightarrow{ OH}\)=k(1,1,2)=(k,k,2k) です。また、点Hは、平面ABC上にあるから、\(\overrightarrow{ OH}\)=\(\overrightarrow{ OA}\)+s\(\overrightarrow{ AB}\)+t\(\overrightarrow{ AC}\)=(2s,2t,1-s-t) とあらわせます。従ってk=2s,k=2t,2k=1-s-tとなりますから、これを解くとk=1/3です。従って\(\overrightarrow{ OH}\)=(1/3,1/3,2/3) となりますから、OH=\(\sqrt{((1/3)^2+(1/3)^2+(2/3))^2}\)=\(\sqrt{6}/{3}\) よって、 V=2/3 から、\(\frac{\sqrt{6}}{9}S=\frac{2}{3}\) 従って、S=\(\sqrt{6}\)

(3)V=\(\frac{r}{3}(△OAB+△OBC+△OCA+△ABC)\) ,△OAB=△OCA=1、△OBC=\(\sqrt{6}\) ですから、内接円の半径rは、\(\frac{2}{3}\)=\(\frac{r}{3}\)(1+2+1+\(\sqrt{6})\) から、r=\(\frac{4-\sqrt{6}}{5} \)となります。

【問題2】

3角推OABCにおいて、OAを2:1に内分する点をP、OBを3:1に無い分する点をQ、BCの中点をRとします。このとき、この3角推をPQRを通る平面で切ったとき、この平面が線分ACと交わる点をSとします。

(1)\(\vec{a}\)=\(\overrightarrow{ OA }\), \(\vec{b}\)=\(\overrightarrow{ OB}\), \(\vec{c}\)=\(\overrightarrow{ OA }\), とします。3点P,Q,Rを通る平面上の任意の点Xに対して、\(\overrightarrow{ OX }\) を \(\vec{a}\),\(\vec{b}\),\(\vec{c}\)であらわしてください。

(2)点Sは、線分AC上をある比で内分しているとします。その比を求めてください。

【解答2】

\(\overrightarrow{ OP}\)=\(\frac{2}{3}\vec{a}\), \(\overrightarrow{ OQ}\)=\(\frac{3}{4}\vec{b}\), \(\overrightarrow{ OR}\)=\(\frac{1}{2}\vec{b}+\vec{c}\) 、点Xは、P,Q,Rの3点を通る平面上にあるから、 \(\overrightarrow{ OS}\)=\((1-s-t) \overrightarrow{ OP}\)+s \(\overrightarrow{ OQ}\)+t \(\overrightarrow{ OR}\) (s,tは実数)・・・・①とかけます。これから、\(\overrightarrow{ OX}\)=2/3・(1-s-t)\(\vec{a}\)+3/4・s\(\vec{b}\)+1/2・t\(\vec{c}\) 一方、点Sha,辺AC上にあるから、 \(\overrightarrow{ OS}\)=(1-u)\(\vec{a}\)+u\(\vec{b}\)・・・・・②とおけます。\(\vec{a}\),\(\vec{b}\),\(\vec{c}\) は1次独立ですから、①、②から、s=-4/5,t=3/5 となります。従って、 \(\overrightarrow{ OS}\)=2/5・\(\overrightarrow{ OA }\)+3/5・\(\overrightarrow{ OC }\), となりますから、点Sは、線分ACを3:2に内分します。

関連記事は、下記リンクにあります。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です