計算問題-正確さとスピード、解答編-
計算問題は、正確さとスピードが求められます
入試問題にせよ、資格試験にせよどのような試験にも制限時間があります。このために、時間内に正答を出さなければならない訳ですが、ここに試験問題の難しさがある訳です。問題演習をやらなければならない所以でもあります。以前提示した問題の解答を書いておきます。
問題1の解答
問題は、下記のものでした。
関数\(f(x)=x^3-2x^2-3x+4\)の、区間-7/4≦x≦3での最大値と最小値を求めてください。(東大 文系)
この問題は、何も特殊な解法も考え方もいりません。通常のやり方で問題を解くだけなのですが、計算がとても複雑になります。これをどうクリアーするかがキーポイントになります。問題をみたら、計算するだけです、と言われると思いますが、正解に何人到達できるか、と言うような問題です。
【解答】
\(f(x)=x^3-2x^2-3x+4\) より、\(f'(x)=3x^2-4x-3=0\)を解くと、x=(2±√13)/3 です。ここで、
α=(2-√13)/3、β=(2+√13)/3 とおくと、最大値は、f(α)か、f(3)となります。x=αで極大値、x=βで極小値をとります。また、最小値は、f(β)かf(-7/4)のどちらかになることが分かります。
ここで、(α、f(α))を通って、x軸に水平な直線(すなわちx=αにおける接線になります。)とy=f(x)との交点を考えると、x=αが極大値である事を考えると、f(x)=f(α)の解は、α、α、α’とおけます。
つまり、\(x^3-2x^2-3x+4=α^3-2α^2-3α+4\)の解が、α、α、α’とおけることになります。従って、これを3次方程式と見て、解と係数の関係を使うと、α+α+α’=2ですから、α’=2-2α=(2+2√13)/3そこで、α’-3=(2+2√13)/3-3=(√52-√49)/3>0となり、
α<0<3<α’ となりますので、-7/4≦x≦3の範囲ではx=αで最大値をとることが分かります。
同様に、f(x)=f(β)の解をβ’とすると、上記の議論と同様にして、
2β+β’=2となり、β’=(2-2√13)/3ですから、
β’-(-7/4)=(√841-√832)/12>0となり、
-7/4<β’<0<βなので、-7/4≦x≦3の範囲では、x=-7/4で最小となります。f(α)は、f(x)をf’(x)で割り算すると、
f(x)=f’(x){1/3・x-2/9}-26/9・x+10/3 となりますから、
f(α)=-26/9・α+10/3=(38+26√13)/27 となります。
また、f(-7/4)=-143/64
従って、最大値は、(38+26√13)/27、最小値は、-143/64 です。
問題2は領域を求め、計算してみてください。
この解答の記事は、下記リンクにあります。