包絡線-ある図形に接する曲線-
包絡線とは
包絡線とは、ある関数が、パラメーターを含んでいる時に、そのパラメーターを変化させたときに、その関数全てに接する曲線の事を言います。曲線は、陽関数表示されてもいいですし、陰関数表示されていても構いません。陰関数表示の場合は、偏微分することになります。
包絡線の例
包絡線の例をあげてみます。
【問題】tをパラメーターとする直線群 \(y=2tx-t^2\)が、0≦t≦1の範囲を動く時、直線が動く範囲を求めてください。
【解答】
与えられた式 \(y=2tx-t^2\)・・・・・・① をtの方程式とみると、
\(t^2-2tx+y=0\)・・・・・・・② となります。②をtについ平方完成すると、
\((t-x)^2+(y-x^2)^2=0\)・・・・・・・③
③は、\((y-x^2)^2=0\)・・・・・・④ すなわち\(y=x^2\) と ②を連立させて、交点を求めれば、その交点のx座標が、\((t-x)^2=0\)より求めることがきます。つまり、\(y=x^2\)と ②がx=tで接することを意味しています。そこで、\(y=x^2\)のx=tの接線が、接点の座標をtとして、0≦t≦1の範囲に動かした時の、接線群を求めればいい事になります。
【別解】
2次関数論としても解けます。問題は、\(y=2tx-t^2\) を満たすtが0≦t≦1となる(x、y)の条件を求めればいい事になります。
\(t^2-2tx+y=0\) ですから、tに関する2次方程式が、0≦t≦1の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ条件を求めればいい事になります。
包絡線に関する問題
【問題1】
tが、0<t<2の範囲を動く時、xy平面上で、点\((0、t^2+4)\)と点(t/2+2/t、0)を結ぶ線分が動く範囲を求めてください。(図示)
【問題2】
tがt>0の範囲を動く時に、xy平面上で、直線y=tx+√(t^2+1)の通過する領域を求めてください。(図示してください。)