実数論-実数とは何か、有理数と無理数と超越数とは-

実数とは何でしょうか

われわれは、単純に実数と言う言い方をしますが、実数を正確に定義することは出来るのでしょうか。数の体系としては、自然数、整数、有理数、実数、そして複素数と言う集合を考えることが出来ます。そして、Z⊂I⊂Q⊂R⊂C と言う論理体系となっています。

実数を精密に定義したのは、ドイツのデデキントと言う数学者です。それまでは、定義が曖昧なものでしたが、デデキントによって厳密な定義が成されました。

デデキントの切断の考え方

実数は、身近なものですから余り意識しないでも、その稠密性を感じることが出来ると思いますが、数の連続性は解析学の基礎ですから、これを厳密に定義しなければなりません。

ドイツのデデキントは、全ての数を、A,Bの2つに分けてAに属する数を、Bに属する数より小さく出来るときに、このような組分け(A,B)を切断(Schnitt)と定義したわけです。

切断(A,B)において、どのような数も下組Aに属するか、上組Bに属するか、いずれか1方に属すると厳密に考えます。実数の切断は、下組と上組の境界として、1つの数が確定されることが、デデキントによって示されたわけです。

切断の3つの型

数の切断には、以下の3つの型が考えられます。

① 下組に最大値があり、同時に上組に最小値がある。

② 下組に最大値がなく、上組に最小値がない。

③ 下組または上組に端があって、他の一方には端が無い。

この型のうち、実数の切断は、③に限ると言う事を言っているのです。

整数の範囲では、①の切断に限ります。有理数では、①は不可能ですが、②は可能なわけです。

このような考え方は、面倒なようにも思えますが、解析学は実数の連続性のもとに成り立っているわけですから、厳密な定義と定理が必要だったわけです。

連続に関する問題

ある区間で定義された2つの連続関数、f(x)、g(x)がその区間の全ての有理数で
f(x)=g(x) であれば、その区間の全ての値に対して、f(x)=g(x) である事を証明してください。

 

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