微分法、積分法の問題-解答編-
微分法、積分法の問題の解答(1)
問題は、下記の問題でした。問題と解説は次のリンクです。微分法・積分法
【問題1】
a>0の定数とするとき、全ての正の実数xに関して、不等式a^x≧a・x
が成り立つとします。aを求めてください。(京都大)
問題1の解答
a^x≧a・x・・・・・・・・・・①
条件より、a>0、x>0ですから、①の両辺の自然対数をとります。
x・loga≧loga+logx となりますから、これを整理すると
(x-1)・loga≧logx ・・・・・・・・・② となります。
x=1の時は、②は成り立つから、x≠1の場合を考えます。
1)0<x<1の場合は、loga≦logx/(x-1) ・・・・・③
2)x>1の場合は、loga≧logx/(x-1) ・・・・・・④
となります。そこで、f(x)=logx/(x-1) がどうなるかを調べます。x≠1で考えます。
f’(x)={x-1-xlogx}/{x・(x-1)^2}となります。分母は、x>0、x≠1で正ですから、f’(x)の正負は、分子のg(x)=x-1-xlogxで決まります。そこで、g’(x)=1-(logx+x・1/x)=-logx となります。
従って、g(x)すなわちf(x)は、x>0、x≠1でg(x)<0となりますから、
x>0、x≠1でf(x)も単調減少することになります。
ここで、lim(x→1)logx/(x-1)=lim(x→1){logx-log1}/(x-1)
h(x)=logxとおけば、h'(x)=1/xですから、
lim(x→1)logx/(x-1)=h’(1)=1となります。
よって、③、④を同時に満たすa>0は、loga=1となります。
従って、a=e となります。・・・・・・・(答)
微分法、積分法の問題の解答(2)
問題は、下記の通りです。
【問題2】
an=Σ(k=1,n)(1/√k), bn= Σ(k=1,n){1/√(2k+1)}とします。
lim(n→∞)an , lim(n→∞){bn/an) をそれぞれ求めてください。(東大)
問題2の解答
y=1/√xを考えると,an>∫(1~n+1)1/√x・dx=2(√(n+1)-1→∞
となります。また、k≧1の時、√(2n+2)>√(2n+1)>√2n となりますから、この逆数をとれば、1/√2k<1/√(2n+1)<1/√(2n+2) となります。
よって、上式のk=1からnまでの総和をとると、
1/√2Σ(k=1、n)1/√k>Σ(k=1、n)1/(2k+1)>bn=1/√2・Σ(k=1、n)1/(k+1)
従って、1/√2・an>bn>1/√2・(an-1+1/(√(n+1))から、
1/√2>bn/an>1/√2・{1-1/an+1/(an√(n+1)}・・・・①
となります。①でn→∞とすると、an→∞ですから、挟み撃ちの原理から
bn/an→1/√2 となります。(n→∞)
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