確率論 -ギャンブルで勝つために考えられた理論-
確率論の考えられた背景
確率論を考えたのは、パスカルだと言われています。円錐曲線や圧力のパスカルの原理やパスカルの3角形など、様々なところで活躍しています。
ヨーロッパの貴族のあいだでは、ギャンブルが流行っていて、賭けをするひとは何とか必勝法はないものだろうかと考えたようです。
ギャンブルで勝ちたいと思うのは、今も同じだと思いますが、当時のヨーロッパの貴族が、パスカルにギャンブルに勝つ方法を考えて欲しいと頼んだのが、確率論の始まりだと言われています。
確率論の基本的な考え方
確率論では、ある事象が起こる場合、起こる場合と起こらない場合は、均等に起こるという考え方をします。ある勝負をする場合、当然強いものと弱いものが存在するのは当然ですが、確率論では同等であると考えます。例えばコインを振って、表がでるか裏が出るかはともに同じで、1/2です。そうでなければ、この勝負はイカサマであると言う事になります。
サイコロの例
大小2つのサイコロがあるとします。同時にこの二つを投げて、サイコロの目の和が、5になる確率はどうなるのでしょうか。大小2つのサイコロを投げた時の場合の数は、6x6=36通りです。大小のさいころの目が5になるのは、(大、小)=(1,4)、(2,3)、(3,2)、(4,1)の4通りです。従ってこの確率は、4/36=1/9 となります。
ずっと負け続けた例
現在、東京6大学で東大野球部は、2010年秋に勝って以来、86連敗しています。最後の勝利は、現北海道日ハムの斉藤佑樹に、4-2で勝って以来負け続けています。そもそもの実力差があるから仕方ないとは言え、これだけ負け続けるのも珍しいと思います。
この確率は、\(1/2^(86)\)になります。\(2^(86)=(2^(10))^8・2^6=1024^8・64≒6x10^(25)\) となりますから、極めて小さい確率になります。元ジャイアンツの桑田真澄投手が臨時コーチをやったようですが、実力差はどうしようもなかったようです。
立教には勝てるのではないかと思いましたが、最近立教は優勝直前までいっています。今度はいつ勝つのでしょうか。
確率に関する問題
確率に関する問題例を挙げておきましょう。場合の数、確率の分野として結構出題されていますので、基礎を固め、問題の解き方をマスターしてください。
【確率の問題】
1つのサイコロを続けて投げて、それによって\(a_n(n=1,2,3・・・・)\)を以下のように定めるとします。出た目の数を順に、\(c_1、c_2、・・・・\)とするとき、\(1≦k≦n-1 \)を満たす全ての整数\(k\)に対し、\(c_k≦c_n\) ならば\(a_n=cn\) それ以外は\(a_n=0\)とします。ただし、\(a_1=c_1\) とします。
(1)\(a_n\)期待値を、\(E(n)\)とおくとき、\(n→∞ の時のE(n)\)の極限値を求めてください。
(2)\(a_1、a_2、・・・・・・、a_n\)のうち、\(2\)に等しいものの個数の期待値を\(N(n)\)とするとき、\(n→∞の時のN(n) \)の極限値を求めてください。
あなたは、次のギャンブルに参加費がいくらだったらやりますか。
ここに、1枚のコインがあるとします。コインを投げて表がでたら、2円もらえるとします。裏がでたら、その時点で勝負は終了し、あなたは、それまでに稼いでいたものも0となります。続けて表が出たら、持っているお金の2倍がもらえます。
例えば、3回続けて表を出すと、2x2x2=8円もらえる訳です。さて、このようなギャンブルがラスベガスやマカオでやっていたとすると、参加費いくらなら、勝負をしますか。
(注)東大野球部は、2015年5月23日に5年ぶりに法政大に勝利し連敗記録は、94でとまりました。前回は、5年前の早大の斉藤佑樹に勝って以来でした。