未解決問題 -ゼータ関数に関するリーマン予想-
未解決問題について
世の中では、様々な活動がなされています。経済活動、生産活動、創作活動、音楽活動、スポーツ活動、芸能活動、教育活動、、、などなど挙げたらきりがないほど多くの活動があります。
理工学、医薬系などの活動においても、多くの新しい事が研究されいろいろな事わかってきてはいますが、分からない事の方が多いと言っても過言ではありません。
素粒子物理学においても宇宙物理学においても、その基礎となる数学においても分かっていない事が相当沢山あります。
数学に関する未解決問題
実際、21世紀になった2000年には、アメリカのクレイ数学研究所が、今世紀に解決すべき問題を提起しています。
この中には、2002年に、ロシアのペリルマンによって解決されたPoancare予想も入っていましたが、1900年にドイツのゲッティンゲン大の天才数学者のヒルベルトが第1回国際数学者会議で提案した、数学の23の問題のうちの一つのリーマン予想も入っています。また、日本の高木貞二が類体論として解決した問題も含まれていました。東大教授の時の「解析概論」や「整数論」の有名な著作でもよく知られています。
これらの問題には、懸賞金が掛けられていて、解決した人には、100万ドルもらえることになっています。リーマン予想も、問題そのものは割合理解しやすいですが、その深淵には、素数の存在が見え隠れしています。
リーマン予想について-素数分布との関係-
リーマン予想は、リーマンのζ関数に関するもので、sを複素数としたときに、ζ(s)=0 を満たす複素零点は、その実数部が1/2であろうと言うものです。
ζ関数は、\(ζ(s)=\displaystyle \sum_{n= 1 }^{ ∞}\frac{1}{n^s}\)であらわされ、ζ(s)=0 を満たす複素零点は、Re(s)=1/2 というものです。
またこれは、オイラーにより、全ての素数に関する無限積でもあらわされています。
\(ζ(s)=π(p)(1-p^{-1})^{-1}\) で容易にあらわされます。pはすべての素数に関する無限積をあらわしています。
sが実数の時も、かなり調べられてはいますが、分かっていないところも
かなりあります。
ゼータ関数に関する入試問題
ζ(1)は、調和関数と言われますが、この無限級数は発散します。この証明は、大学入試問題としても容易です。
また、ζ(2)は、オイラーがスイスの有名なベルヌーイ一家がいたバーゼルで研究をしたと言う歴史的経緯から、バーゼル問題とも言われています。
面白いのは、ζ(2)=\(π^2/6\) となりπが出てきます。こんなところにも
円周率のπが出現するのは驚異ですが、誘導を相当多く与えて、ζ(2)=\(π^2/6\) を証明させる問題も大学入試に出題されています。
おそらく出来は悪かったと思われますが、このようなところから入試問題も題材を得ている事は、興味深いことだと思われます。
リーマン予想は、素数の全貌に関連しており、これが証明されてしまうと素数判定をその基盤としている暗号システムも全面的に変える必要があると思われます。160年間未解決の問題です。