2次曲線を極めよう-解答編-
2次曲線の問題解法
2次曲線はそれ程多くの種類はありません。まずは、標準形の理解と図形的な定義をきちんと理解してください。2次曲線は、離心率eで統一的にあらわすことができます。
極座標表示での2次曲線の定義もあわせてきちんと理解するようにしましょう。図形の問題では、極座標で解くと計算しやすい場合が好くあります。講義と問題は、次のリンクにあります。2次曲線を極めよう
2次曲線の問題の解答
【問題1】
楕円\(x^2/a^2+y^2/b^2=1\) \((a>b>0)\)に、4辺が接する長方形の面積の最大値と、最小値を求めてください。(頻出問題)
【解答1】
\(x^2/a^2+y^2/b^2=1\)のC上の点P(t,s)における接線lの方程式は、
\(sx/a^2+ty/b^2=1\)・・・・・・① です。
lに原点から、垂線をおろし、その交点をHとし、\(OH=d、∠HOx=θ\) とすれば、\(H(dcosθ、dsinθ)\)となります。
よって、lの方程式は、\(cosθ/d・x+sinθ/d・y=1\)・・・・・・②
①、②は一致しますから、\(s=a^2cosθ/d、t=b^2sinθ/d\)
ここで、P(s,t)は、C上の点ですから、
\(a^2cos^2θ+b^2sin^2θ=d^2\)・・・・・・②
また、lに直交する直線を考えれば、\(θ→θ+π/2\)で、原点からの距離をd’とすると
同様にして、\(a^2cos^2θ+b^2sin^2θ=d’^2\)・・・・・・③
②、③から、\(d^2+d’^2=a^2+b^2\)
よって、長方形の対角線の長さは,\(\sqrt{a^2+b^2}\) となります。
この長方形が最大になるのは、正方形のときで、lで\(θ=±π/4、±3π/4\)のときに
この4本で正方形が形成できます。
よって、求める面積の最大値は、\(1/2・(2・\sqrt{a^2+b^2})^2\)=\(2・(a^2+b^2)\) となります。
【問題2】
楕円\(x^2/3^2+y^2=1\)上の点を、\(P(3cosα、sinα)(0≦α≦π/2)\)とします。原点Oと点Pを結ぶ線分とx軸との成す角をθとするとき、
(1)OPの長さが、\(3/\sqrt{5}\) 以上となるθの範囲を求めてください。
(2)\(l α-θ l \) の最大値を求めてください。
【解答2】
(1) \(OP^2=(3cosα)^2+(sinα)^2=8cos^2α+1\)
\(α=π/2\)なら、不適
\(0≦α<π/2\)で、\( 8cos^2α+1≧9/5\) から \(cos^2≧1/10\)
よって、\(tan^2α≦9\) ですから、\(0≦tanα≦3\) θ≠π/2より、
\( tanθ=1/3・tanα\) よって、\(0≦tanθ<π/2から、0≦θ≦π/4\)
(2) \(θ=αまたは0<θ<α<π/2\)より、
\(tan(α-θ)=(tanα-tanθ)/(1+tanαtanθ)=2/(tanα+1/tanα)\)
\(tanα>0\)より相加・相乗平均の関係より、
\(tan(α-θ)≦1/\sqrt{3}\), 等号は\(tanα=\sqrt{3}つまり、α=π/3\)
従って、\(l α-θ l \)の最大値は、\(π/6\)です。
【問題3】
\(AB=AC、BC=2\) の直角2等辺3角形\(ABC\)の各辺に接し、1つの軸が\(BC\)に平行な楕円の面積の最大値を求めてください。(東大)
【解答3】
3角形ABCは\(AB=AC、BC=2\)の直角2等辺3角形ですから、o-xy座標上に
A(0,1),B(1,0),C(-1,0)とおくことができます。
このとき、\(AB,BC,CA\)に接し、1つの軸がBCに平行な楕円は、
\(x^2/a^2+(y-b)^2/b^2=1・・・・・①\)
\((0<a<1、0<b<1/2)\)
とおくことができます。
直線ABは、\(x+y=1\)・・・・・・② です。
①、②は接するので、②を①に代入して、整理すると、
\((a^2+b^2)y^2-2b(a^2+a)y+b^2=0\) となりますから、
この判別式をDとすると、
\(D/4=a^2b^2(a^2+2b-1)=0\) よって、\(a^2b^2≠0\)ですから、
\(a^2+2b-1=0\)
従って\(b=(1-a^2)/2\)・・・・・・・・③
よって、楕円の面積をSとすると、
\(S=πab=π/2・(-a^3+a) (0<a<1)\) となります。
ここで、\(f(a)=-a^3+a\)とおけば、\(f’(a)=(-3a^2+1)\) です。
\(f’(a)=0から、a=1/\sqrt{3}\) この値で、極大値をとりますから、
面積Sの最大値は,\(π/2・f(\sqrt{3})=\sqrt{3}/9・π\) となります。
【問題4】
Cを双曲線\(2x^2-2y^2=1\)とします。\(l、m\)を点(1,0)を通り、x軸とそれぞれ、θ、θ+π/4の角をなす2直線とします。ここで、θは、π/4の整数倍ではないものと考えます。
(1)直線lは、Cと相異なる2点P,Qで交わることを示してください。
(2)直線mとCの交点を、R,Sとするとき、
\(1/PQ^2+1/RS^2\)は、θによらない一定な値になることを示してください。
(筑波大)
【解答4】
(1) l の方程式は、\(y=tanθ(x-1)\)とかけます。\(tanθ=t\)とおき、Cに代入して整理すると、
\(2(1-t^2)x^2+4t^2x-(1+2t^2)=0・・・・・・・①\)となります。
\( (t≠0、±1)\)
①の判別式をDとすると、\(D/4=2(1+t^2)>0\)となりますから、直線 l は、Cと相異なる2点P,Qで交わります。
(2)①の解を、\(α、β\)とすると、\(t=tanθ\)を考慮して、
\(α+β=2t^2/(1-t^2)、αβ=-(1+2t^2)/2(1-t^2)\)
よって、\(PQ^2=(1+t^2)(α-β)^2=2(1+t^2)/(1-t^2)^2
=2{(1+tan^2θ)/(1-tan^2θ)}^2
=2/(cos^22θ)\)
また、\(RS^2=2/(cos^22(θ+π/4)=2/sin^22θ\) となりますから、
\(1/PQ^2+1/RS^2=1/2=一定\) となります。