e^x、logxなどに関する問題-解答編-
e^x、logxに関する問題
eの持つ意味をかなり詳しく説明し、大学入試の問題を提供いたしました。この問題の解答を示します。解説、問題は次にあります。e^x,logxに関する問題
問題の解答
【問題1】
\(a0>0、ak≧0(k=1,2,3,・・・・・・・,n)\)、\(\displaystyle \sum_{ k= 0 }^{ n } a_k=1\) のとき、
\(x=\displaystyle \sum_{ k = 0 }^{ n } a_k・x^k\)が、\(0<x<1\)に解を
もつための必要十分条件は、\(\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n } k・a_k>0\)
でることを証明してください。(東工大)
【解答1】
\(f(x)=\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n } a_k・x^k-x\) とおきます。
\(f(x)-x=0\)を満たす、\(0<x<1\)の解がただ1つ存在するとし、これをαとします。
\(f(α)=0、f(1)=\displaystyle \sum_{k = 0}^{ n } a_k-1=0\)となります。よって、f(x)は微分可能ですから、ロールの定理により、\(α<β<1,f’(β)=0\)
を満たすβが存在します。
また、このとき\(f(0)=a0>0、f(α)=f(1)=0\)だから、\(f(x)\)は1次関数ではなく、
\(a2、a3、・・・・・・・・、an\)のうち少なくとも1つは正であり、
\(f’’(x)=\displaystyle \sum_{k = 2}^{ n } a_k・x^{k-2}\)は、\(x>0\)で正になります。
従って、\(f’(x)\)は単調増加関数となり、\(f’(1)>f’(β)=0\) ですから、\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } k・a_k>1\) となります。
逆に、\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } k・a_k>1\) であれば、
\(a1=a2=・・・・・・・・・=an=0\)ではありえませんから、\(x>0\)において
\(f’’(x)>0\)となります。
よって、\(f’(x)\)は単調増加で、\(f’(0)=a1-1<0、f’(1)=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } k・a_k-1>0\) となりますから、
\(f’(β)=0、0<β<1\)を満たすβがただ1つ存在します。
\(f(β)<0、f(x)は0<x<β\)で単調減少となります。よって、\(f(α)=0、0<α<β\)となるαがただ1つ存在することとなり、それは、0<x<1を満たすただ1つの解となります。
従って題意は成立します。(Q.E.D.)
【問題2】
\(f(x)=-x・logx\) とするとき、
条件\(x1+x2=1、x1>0、x2>0\)のもとで、\(f(x1)+f(x2)\)が最大になるときの\(x1,x2\)の値を求めてください。(名工大改)
【解答2】
\(f’(x)=-(xlogx+1)、f’’(x)=-1/x<0 (x>0)\)となりますから、
\(f(x)\)は下に凸の関数となりますから、
\(f((x1+x2)/2))≧(f(x1)+f(x2))/2\) となり、等号は、x1=x2のときです。
従って、\(x1+x2=1\)ですから、\(x1=x2=1/2\)のときに最大となり、
\(f(x1)+f(x2)=log2\) となります。
【問題3】
\(1/(1+x^2)、1/(2e^{lxl}-1)、log(1+1/x^2)\)の大小関係を調べてください。\(log\) は自然対数です。(東北大)
【解答3】
3つの関数は、ともに偶関数で、その値は正です。
\(x≧0\)において、\(f(x)=(1+x^2)-(2e^x-1)\) とおけば、
\(f’(x)=2(x-e^x)、f’’(x)=2(1-e^x)\) です。また、\(f’(0)=-2、f’’(x)<0(x>0)\)ですから、
\(x>0において、f’(x)<0\) となります。従って、\(x>0\)において、\(f(x)\)は単調減少で、\(f(0)=0\)ですから、\(f(x)<0\)となります。
すなわち、\(1+x^2<2e^x-1\)から、
\(1/(1+x^2)>1/(2e^{lxl}-1)・・・・・・・・① が成り立ちます。
次に、\(x>0でg(x)=log(1+1/x^2)-1/(1+x^2)\)とおくと、
\(g’(x)=-2/{x(1+x^2)^2}<0\) ですから、g’(x)は単調減少で、
\(\displaystyle \lim_{ x \to +0 }g(x)=+∞、\displaystyle \lim_{ nx\to \infty }g(x)=log1-0=0\) です。よって、\(g(x)>\)0から、
\(log(1+1/x^2)>1/(1+x^2)\) ・・・・・・・②
①、②より、\(log(1+1/x^2)>1/(1+x^2)>1/(2e^{lxl}-1)\) です。
【問題4】
\(0<x<y\)のとき、\(x^2・e^{y/x}、y^2・e^{x/y}\) の大小関係を調べてください。(東工大)
【解答4】
対数をとって微分するのが定石なのでしょうが、ここではテクニックを使ってみます。
\(y=tx (t>1)、f(t)=(x^2・e^{y/x})/(y^2・e^{x/y})=e^t/t^2e^{1/t}=t^2・e^{t-1/2}\) とおきます。
\(f'(t)=e^{t-1/t}・t^{-4}・(t-1)^2\) となります。
よって、\(t>0でf’(t)>0で単調増加関数です。
また、\displaystyle \lim_{ n \to 1-0 } f(t)=1より、f(t)>1\)
従って、\(x^2・e^{y/x}>y^2・e^{x/y}\) となります。
【問題5】
次の式を証明してください。
\(log{(1+x)/(1-x)}=2・(x+x^3/3+x^5/5+・・・・・・+x^{2n-1}/(2n-1)+・・・)\) (lxl<1)
また、\(log2\)を小数点第5位まで求めてください。
【解答5】
\((log{(1+x)/(1-x)}=log(1+x)-log(1-x)=x-x^2/2+x^3/3-・・・・+(-1)^{n-1}+Rn+1+(x+x^2/2+・・・・・・-R’n+1\)
=2(x+x^3/3+・・・・・・・・・+x^{2n+1}/(2n+1))+R2n+1-R’2n+1\)
となります。
\(lxl<1\) のとき、
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } R2n+1=0,\displaystyle \lim_{ n \to \infty } R’2n+1=0 \)ですから、
従って、\(log{(1+x)/(1-x)}=2・(x+x^3/3+x^5/5+・・・・・・+x^{2n+1}/(2n+1)+・・・)\)となります。・・・・・・・①
\(2=(1+x)/(1-x) のとき、x=1/3\)ですから、①にx=1/3を代入して、計算すると、
\(log2=0.69314\) となります。