難関大が入試問題に出しそうな問題-解答編-
難関大が入試問題に出しそうな問題
よく数学の未解決問題が解決したときに、その題材を基にした入試問題が、出題されることがあります。フェルマーの定理がワイルズによって証明された翌年には、信州大がそれを題材にした問題を出題しています。ここに出した問題は、実は全て未解決問題に関連しているものなのです。これらが証明されたら、入試問題の題材になるのでしょうか。 講義・問題例は次のリンクです。難関大が入試に出しそうな問題
難関大が入試問題に出しそうな問題の解答
【問題1】
ある自然数を考えるとします。もしその自然数が偶数なら2で割ります。もし奇数だとすれば、その数を3倍して1を足すものとします。このような計算をして求まった数に10倍した数を、あなたのこの問題の点数にします。何点からはじめますか。
【解答1】
この問題は、\(3N+1\)問題ないしコレッツ問題と言われている問題で
かなりの大きな数まで(1700万けたの自然数)正しいことが確かめられているのですが、未解決問題です。今のところどのような自然数を持ってきても、最終的には1になります。誰でも10点らしいというところです。
【問題2】
\(1/1^2+1/2^2+・・・・・・・・・・・・・・・・・+1/n^2+・・・・・・・・・・・・・・・\)
=\(1/(1-1/2)・1/(1-1/3)・・・・・・・・・・・・・1/(1-1/p)・・・・・・)\)
が成り立つことを証明してください。積は全ての素数に関する積をあらわしています。
【解答2】
\(ζ(s)=1/1^2+1/2^2+・・・・・・・・・・・・・・・・・+1/n^2+・・・・・・・・・・\)は
リーマンのゼータ関数であり、リーマン予想は、未だに未解決です。
ただ、オイラーによって、ゼーター関数は、全ての素数に関する無限積
であらわされる、と言うのがこの問題です。リーマン予想は極めて難しいですが、この問題の等式の証明はそれ程難しくはありません。
\(1/(1-1/2)・1/(1-1/3)・・・・・・・・・・・・・1/(1-1/p)・・・・・・)\)=\((1+1/2+1/2^2+・・・・・)(1+1/3+1/3^2+・・・・)・・・・・(1+1/p+1/p^2+・・・・・・)・・・・・・・・・)\)
=\(\displaystyle \prod_{ i = 0 }^{∞} (1-p^{-1})=ζ(s)\)
【問題3】
\(n\)を自然数とするとき、どのようなnに対しても、\(4/n=1/a+1/b+1/c\)を満たす自然数\(a,b,c\)が存在することを証明してください。
【解答3】
実は、この問題も未解決と言われています。私はこの問題の驚くべき証明を見つけましたが、それをここに書くにはこのページは狭すぎます。