軌跡と方程式-解答編-

軌跡と方程式

デカルト座標における軌跡の問題は、数学全体であつかわれるものですから、十二分に利用しましょう。初等幾何学で解くと相当面倒なものも、座標平面を使うと、式の計算で求める図形や曲線を求めることができますし、最大・最小問題にも応用できます。講義と問題は、次のリンクです。軌跡と方程式

軌跡と方程式の解答

【問題1】

\(xy\)平面上で、円\(C:x^2+y^2=1\)の外部にある点\(P(a,b)\)を考えます。
点\(P\)から、円\(C\)に引いた2つの接線を\(Q_1、Q_2\)とし、線分\(Q_1Q_2\)
の中点を\(Q\)とします。
点\(P\)が、円\(C\)の外部で、\(x(x-y+1)<0\)を満たす範囲にあるとき、、点\(Q\
の存在する範囲を図示してください。(京大)

【解答1】

点\(P(a,b)\) が円Cの外部で、\(x(x-y-1)<0\) の範囲にありますから、
\(a^2+b^2>1・・・・・・①\)
\(a(a-b+1)<0・・・・・・②\) です。
\(Q=(X,Y)\) とおくと、\(OQ=\sqrt{X^2+Y^2}\)・・・・・・③

また、\(△OPQ_1∽△OQ_1Q\)ですから、
\(OP=OQ_1^2/OQ=1/(\sqrt{X^2+Y^2})\)・・・・・・④

③、④より、
\(OP=1/(X^2+Y^2)・OQ\)ですから、
\(a=X/(X^2+Y^2)、b=Y/(X^2+Y^2)\)

よって、\(X^2+Y^2<1\)・・・・・・⑤
また、\(X(X^2+Y^2+X-Y)<0\)・・・・・・⑥

従って、\(X^2+Y^2<1、X(X^2+Y^2+X-Y)<0\)
これの図の範囲を書けばいいことになります。

【問題2】

2つの実数、\(a,b\)のうち大きい方を、\(max\)\((a,b)\)とします。\(a=b\)なら、
\(max\)\((a,b)\)=\(a\)とします。
不等式 \(1\)≦\(max\)\((4x+4y-3、x^2+y^2)\)≦\(5\)
を満たす点\((x,y)\)の範囲を図示してください。(京大)

【解答2】

それほど、難しくはありません。

\(4x+4y-3≧x^2+y^2\)のとき、
\(1≦4x+4y-3≦5\)

\(4x+4y-3<x^2+y^2\)のとき、
\(1≦x^2+y^2≦5\)

この二つを、\((x,y)\)平面上に書けばいいことになります。

【問題3】

\(xy\)平面上の点\(P(a,b)\)に対し、正方形\(S(P)\)を、連立方程式
\(lx-al≦1/2、ly-bl≦1/2\)を満たす領域として定めます。
原点と\(S(P)\)の点との距離の最小値を、\(f(P)\) とします。
点\((2,1)\)を中心とする半径1の円の円周上を、\(P\)が動くとき、
\(f(P)\)の最大値を求めてください。(東大)

【解答3】

点\(P\)が、中心\((2,1)\)、半径1の円周上を動くとき、\(S(P)\)は、\(x>0\)の部分を動きます。

\(f(P)\)を与える点を、\(Q\)とすると、\(f(P)=OQ\)となります。

\(S(P)\)がx軸と共有点をもつとき、
\(0≦b≦1/2で、-\sqrt{3}/2≦a-2≦\sqrt{3}/2\) であり、\(Q(a-2、0)\)だから、\(Q(x,y)\)は、\(y=0 (3-\sqrt{3})/2≦x≦(3+\sqrt{3})/2)\)

\(S(P)\)が、x軸と共有点を持たないときは、
\(1/2≦b≦2で、Q(a-1/2、b-1/2)\) ですから、
\(a=x+1/2、b=y+1/2\)
これを\(a-1)^2+(b-1)^2=1\)に代入すると、

\(Q\)の軌跡は、
円 \((x-3/2)^2+(y-1/2)^2=1のy≧0\)の部分

以上より、\(f(P)=OQ\)が最大となるのは、OQが円の中心Aを通るときです。
よって、\(f(P\)の最大値は、
\(OA+AQ_1=\sqrt{(3/2)^2+(1/2)^2}+1=(2+\sqrt{10})/2\)
となります。

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