群論についてー様々なところに使われる理論-

群論について

群論は、群、環、体を含めて大学で学ぶ理論ですが、大学の先生はこのような題材をもとに、問題を作成する例も結構あります。群論は、フランスの若き天才数学者ガロワが有名ですが、色々な数学者が発展させています。今では、結晶学やディジタル信号のエラー訂正などにも使われています。ガロワは、代数方程式の解を求める過程で置換群という概念を用いています。群Gとは、有限群を考える事にすると、その要素a,bに対して、つまり、a∈G、b∈Gとするとき、ある演算*が存在し、

① a*b∈G

② a*I∈G I∈G となる要素I(単位元)が存在する

③ a*c=Iとなる c∈Gが存在する。(cを逆元といいます。)

を満たす時、Gは群と言います。

さらに、交換法則が成り立つ時、すなわち a*b=b*a なら、アーベル群と言います。アーベルは、ノルウエー出身の数学者です。

ガロワは、代数方程式の解を調べていた時に、5次以上の代数方程式には解の公式が無いことを証明し、n乗根と加減乗除でかけるための必要十分条件を置換群の理論から求めています。アーベルもほぼ同時期に5次方程式に解の公式がないことを独立に証明しています。以前これらには、少し触れていますので、覚えておられるかと思います。

群の例

整数の集合は、群ではありません。足し算、掛け算は、その演算にたいして閉じ居ますが、逆元が無いからです。つまり割り算ができません。

有理数の集合は、群です。これは、割り算しても有理数の集合に含まれるからです。

線形代数学では、行列や行列式を学びますが、行列では、一般に交換則は成り立ちません。ですから、アーベル群にならない例も多々あるわけです。

群に関する問題

【問題】

0でない複素数からなる集合Gは次を満たしているとします。Gの任意の要素z、wの積zwはGに属します。

(1)ちょうどn個の要素からなるGの例をあげてください。

(2)ちょうどn(n≧2)個の要素からなるGを求めてください。

(公立大学医学部 入試問題)

 

 

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