簡単なフェルマー問題 -バズーカ問題の解答-
フェルマーの定理に関する簡単な問題
フェルマーの最終定理を証明するのは、証明された今でもきわめて難しいものですし、n=3 の場合でさえ理解する事も難しい問題です。数学のバズーカでご紹介しフェルマーの定理のた特別な場合の問題は、大学入試問題としても適切だろうと思います。解答を書いておきますので、ご参考になれば幸いです。
「x、yを自然数とし、pを素数とするときに、\(x^3+y^3=p^3\) は、自然数解を持たないことを証明してください。」・・・①
フェルマーの定理では、\(x^3+ y^3= z^3 \)となります。(x,y,z は自然数)この問題ができる人は、相当な実力を持っていると考えてもいいと思います。
問題①の考え方と解答
さて、①の問題ですが、右辺が、素数pの3乗になっているところが異なっていますが、これが問題を容易にしている条件になっています。
左辺を因数分解してみようと考えるのは自然な考え方です。\((x+y)(x^2 -xy +y^2) = p^3\) ・・・・② となります。
ここで、②の左辺は2つの式の積となっていますからこれが、\(p^3\)になればいいと考えます。
\((x^2 -xy +y^2)\) -(x +y) =\( (x -y)^2\) +xy – x – y = \((x -y)^2\) +(x -1)+(y -1) – 1 ・・・・・ ③ となります。
また、x≧yとしても一般性は失いません。この時明らかにx≧2、y≧1 となりますから、③式は正となります。
従って、\(x^2 -xy +y^2 >x + y \)・・・・④ となります。
そこで、②式を考えると、x +y ≧ 2 、p≧2 を考慮すると、pは素数ですから、\(x^2 -xy +y^2 =p^2\) ・・・・・・⑤
x +y = p ・・・・・・・ ⑥
となります。
⑥式を⑤式に代入して整理すると、3xy=0 となりますから、xy=0となり、x、yの少なくとも一方は、0になり、x、yが自然数である事に矛盾します。従って背理法により、①の命題は成り立つ事になります。
解法のキーポイント
因数分解と、素数の性質を上手く利用すれば割合簡単に証明できます。
④式を思いつくかどうかも、証明に成功するかどうかの分岐点になるように思います。