積分法-問題の解答
積分法に関して
通常の積分法(リーマン積分)に関しては、以前説明してきました。ここでは、その時に提示した問題の解答を書いておきますので、参考にしてください。
問題は次のものです。
【問題】
xyz空間において、
\(y^2+z^2≦1、x^2+z^2≦1、x^2+y^2≦1\) をすべてみたす点全体からなる立体の体積を求めてください。(東大他)
問題の解答
このような問題は、切断面を考えて積分するのが普通です。計算はやや面倒ですが、正確な計算力が求められます。
\(y^2+z^2≦1\)・・・・・・・・・①
\(x^2+z^2≦1\)・・・・・・・・・・②
\(x^2+y^2≦1\)・・・・・・・・・・③
z=t(0≦t≦1)とすると、①から、
-\(\sqrt{1-t^2}≦y≦\sqrt{1-t^2}\) となります。また②より、
-\(\sqrt{1-t^2}≦x≦\sqrt{1-t^2}\) となります。
これより、①、②の共通部分をz=tで切った切り口の断面は、1辺の長さが、2√(1-t^2)の正方形となります。これと、③の円柱をz=tで切ったものとの共通部分が、①、②、③の共通部分の立体Tをz=tで切った切り口の断面積S(t)となります。
従って、
(1)1/√2≦t≦1の時は,S(t)=\((2\sqrt{1-t^2}^2)=4(1-t^2)\)
(2)0≦t≦1/√2の時は、S(t)は、正方形と円との共通部分となりますから、(図形を書いてみると分かります。)t=sinθ(0≦θ≦π/4)とおくと、S(t)=π・1^2-4(1/2・1^2・2θ-1/2・1・1・sin2θ)=π-4θ+4sinθ・cosθ となります。従って
Tの体積Vは、(1)と(2)の和ですから、対称性を考慮すると
(1)の時、8∫(1/√2~1)(1-t^2)dt=16/3-5√2/3
(2)の時、2∫(0~π/4)(π-4θ+4sinθ・cosθ)・cosθ・dθ
=2π∫cosθdθ-8∫θ・cosθ・dθ+8∫cos^2θ・sinθ・dθ
(積分区間は省略しています。)
=32/3-14√2/3
よって、V=(16/3-5√2/3)+(32/3-14√2/3)
=16-8√2 ・・・・(答)
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