理系数学演習-解答編-

理系数学問題演習

理系の数学では、数Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B が範囲になりますが、国立大学ではほとんど \(5割\) 程度数Ⅲの範囲の問題になります。私立大学もいわゆる難関大では数Ⅲの比率がおおくなります。国立では2次試験はほぼ記述式、私立大学では、ほとんどの大学がマーク式です。私立であっても数学の問題演習は、記述式の問題で演習すべきです。記述問題をしっかりやっていれば、マーク式は易しい問題だからです。極限、微積分、複素数平面、2次曲線をしっかりやりましょう。

理系問題演習

【問題1】

正の数 \(p\) があって、その小数部分を \(q\) とします。
\(p^3+q^2=6p\) であるとき \(p\) の値を求めてください。

【解答1】

題意より、\(0≦q^2<1\) ・・・・・・・・・・・①
また、\(q^2=6p-p^2\)

よって、\(0<p<3-\sqrt{3} 3+\sqrt{3}<p\) ・・・・・・・・②
また \(0<p≦6\)・・・・・・・・・・・③
②、③ の共通部分を取り
1)0<p<3-\sqrt{3}\) のときは
\(p=q\) であり \(P=0,3\)
2) \(3+\sqrt{3}<p≦6\) の時は
従って、\(p\) の整数部分は \(5,6\) です。
よって、\(p\) の整数部分が \(5\) のとき \(2p^2-16p+25=0\)
これより、②を満たすのは、\(p=(8+\sqrt{14})/2\)
また、\(p\) の整数部分が \(6\) のときは、\(q=0,p=6\)

従って、\(p=(8+\sqrt{14})/2、6\)

【問題2】

\(f(x)=\vert logx\vert \) とします。
\(2・f((a+b)/2)=f(a)=f(b)\) となる関係を満たすとすれば、\(3<b<4\) を満たす実数 \(b\) が少なくとも1つ存在することを示してください。
ただし、 \(0<a<b\) とします。

【解答2】

\(y=\vert logx \vert\) は \(0<x<1\) のとき単調減少、\(x>1\) では単調増加です。
従って、\(f(a)=f(b)\) から、
\(\vert loga\vert=\vert logb\vert\) でかつ \(0<a<1<b\)
よって、\(-loga=logb\) から、\(logab=0⇔ab=1\)
また、\(a,b>\) だから、\(a+b>2\sqrt{ab}=2\)

\(2・f((a+b)/2)=2\vert log(a+b)/2 \vert =2log(a+b)/2\)
よって、2・f((a+b)/2)=f(b)\) だから
\(2・log(a+b)/2=logb\) ⇔( (a+b)/2)^2=b\)

これから、
\((b-1)(b^3-3b^2-b-1)=0\)
\(b>1\) より \(g(b)=(b^3-3b^2-b-1)=0\)
さらに、\(g(3)=-4<0\) \(g(4)=11>0\)
従って、\(g(b)=0\) は、\(3<b<4\) の間に少なくとも1つの解をもちます。

【問題3】

(1) \(0<x<π/2\) のとき、\(sinx<x<tanx\) が成り立つことを証明してください。
(2)次の不等式を証明してください。
\(\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{∞} sin^2π/2^k<π/3・\displaystyle \int_{ 0 }^{ 2π } \vert sinx\vert dx\)

【解答3】

(1) 直角三角形を書き面積を比較すれば、不等式が得られます。
(2) (1) に \(x=π/2^k (k=1,2,・・・・・・・)\) を代入すると
\(\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n } sin^2π/2^k<π^2\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } 1/4^k\)
\(<π^2\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ ∞ } 1/4^k=π^2/3\)
一方 \(\displaystyle \int_{0}^{2π} \vert sinx\vert  dx=4\)

よって、\(\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{∞} sin^2π/2^k<π/3・\displaystyle \int_{ 0 }^{ 2π } \vert sinx\vert dx\)

【問題4】

3次曲線 \(y=f(x)=ax^3+bx^2+cx\) \((ab≠0)\) に原点から接線 \(l_1\) をひいて、その接点を \(P_1(x_1,y_1)\) とします。
\(P_1\) から \(y=f(x)\) に接線 \(l_2\) をひき 接点を \(P_2(x_2、y_2)\) とし、以下同様に点列 \(P_1,P_2、・・・・・・・、P_n\) を作ります。
このとき、点列の \(n→∞\) の極限の位置の座標を求めてください。但し 点列はすべて異なるものとします。

【解答4】

\(y=f(x)=ax^3+bx^2+cx\) から、\(f'(x)=3ax^2+2bx+c\)
よって、\(P_n(x_n,y_n)\) の \(y=f(x)\) に引いた接線の方程式は、
\(y=(3ax_n^2+2bX_n+c)x-(2ax_n^2+bx_n^2)\)
これと、\(y=f(x)\) を連立させ、\(x\)を求めると、\(x=-2x_n-b/a\) となり、題意から、
これが、\(x_{n-1}\) となります。
よって、\(x_n=-1/2・x_{n-1}-b/2a\)
これから、\(x_n+b/3a=-1/2(x_{n-1}+b/3a=(-1/2)^{n-1}(x_1+b/3a)\)

また、\(x_1=-b/2a\) だから、\(x_n=b/3a((-1/2)^n-1)\)
従って、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } x_n = -b/3a\)

よって、点列は、\((-b/3a、b/27a^2(2b^2-9ac))\) に近づきます。

 

【問題5】

\(xy\) 平面で \(y=\sqrt{x+\sqrt{x^2+1}}+\sqrt{x-\sqrt{x^2+1}}\) のグラフと
放物線 \(x=y^2+1\) と \(x軸\) で囲まれる部分の面積を求めてください。

【解答5】

\(y\) を\(x\) で表し面積を求めてもできますが、変数変換し \(x\) ではなく、\(y\) で積分するのがやりやすいです。

(略解)\(u=\sqrt{x+\sqrt{x^2+1}}\) \(v=\sqrt{x-\sqrt{x^2+1}}\) とおくと
\(u^3+v^3=2x、uv=-1\)
\(y=u+v\)だから、両辺を3乗して、上式を使うと
\(x=1/2・y^3+3/2y\)
よって、 \(y\) で積分すると 面積は、\(11/24\)

 

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