正多角形 -円に内接する正多角形を作図するには-
正多角形の作図の条件
正多角形で一番簡単なものは、正三角形ですね。このような正多角形を作図する問題があります。ここで作図というのは、定規とコンパスだけで作図するものです。正三角形は、三つの辺が等しいのですから、コンパスで容易に作図できます。正四角形は、正方形ですから、これも容易に作図できます。では、正五角形、正六角形・・・・・・一般に正多角形を作図できるのでしょうか。
作図できるものは、コンパスと定規だけで、定規は線を引くだけしかできないとします。この問題に本格的に取り組んだのは、ドイツの天才数学者と言われたガウスです。彼は、19歳の時に正17角形が定規とコンパスで作図できる事を証明し、このような正多角形が作図できるのは、\(n=2^2\)^2-1というフェルマー数であることが必要十分である事を述べています。これを証明した事によりガウスは、数学でやっていこうと決心しています。
複素平面上での単位円での正多角形の表示は?
この作図は、複素数平面上で、\(z^n=1\) と言う円周等分方程式を解く事に帰結します。新課程では複素数平面を学びますから、正n角形が、複素数平面上でどのような位置関係にあるのかは分かります。\(z=cosθ+isinθ\) であらわされますから、ド・モアブルの定理から、\(z^n\)=\(cos(nθ)+isin(nθ)=1\)
となります。
これから、\(cos(nθ)=1、sin(nθ)=0\) となりますから、これを解けば、\(θ=2kπ/n\) (kは整数)と言う事になります。ですから、これを加減乗除と平方根で表せれば、正多角形がコンパスと定規で作図できる事になります。
ガウスはこのnがそれまで知られていたフェルマー数である事を証明したのです。フェルマー数は、全て素数であろうと言う予想がありましたが、これは間違いだったと分かりました。しかし、ガウスによって再び脚光を浴びる事になります。フェルマー数で正17角形の次は、正257角形になります。これを何ページにも渡って証明した人もいるようですが、これは数学的にはそれ程意味がある事ではありません。
複素数の理工学への応用
複素数はこういうところにも使われています。また、電機・電子工学や量子力学などの波動方程式にも必須ですから、基礎を十分学んでおくのはとても役立つ事だと思います。
ガウスのエピソード
また、これもよく知られていることですが、ガウスはよく知られた \(1+2+3+・・・・・+n=n(n+1)/2\) である事を、小学5年生のときに発見しています。先生が、少し考え事をしたかった時に、生徒に、1から100まで全て足しなさい、と言う問題を出して時間かせごうとしましたが、ガウスはほんの数秒で「できました。」と答えたと言ったというエピソードがあります。天才たる所以でもありますね。