整数解・有理数解の問題-整数や有理数の存在を調べる-
ピタゴラスの定理、フェルマーの大定理と整数解・有理数解
ピタゴラスの定理は、直角三角形の3辺x,y,zについて、\(x^2+y^2=z^2\)が成り立つところから来ています。ピタゴラスの定理が成り立つ整数解をピタゴラス数と言い、これには無数の整数解があることは既に説明しました。
また、フェルマーの大定理、すなわち \(x^n+y^n=z^n(n≧3の自然数)\)は、整数解が無いことは、Willesにより360年かけて証明されたことも説明いたしました。このときに使われたのは、楕円曲線\(y^2=x^3+ax+b\) に関する谷山・志村予想を証明したわけです。ここで、ピタゴラスの定理をxy座標で図形的に見ると、中心が原点の円だとみなす事ができます。
円上の整数解、有理数解
それでは、ピタゴラスが成り立ってはいませんが、\(x^2+y^2=2\) は整数解ないし有理数解はもつのでしょうか。また\(x^2+y^2=3\)はどうでしょうか。これは、問題といたしましょう。
楕円曲線上の整数解について
楕円曲線\(y^2=x^3+x\) には整数解が(0,0)しかありませんが、それでは \(y^2=x^3+x^2\)はどうでしょうか。
また、\(y^2=x^3-x^2-x+1\)はどうでしょうか。楕円曲線は、突っ込むと相当難しくなりますが、このくらいのものなら、入試問題にだしても大丈夫でしょう。これらも問題としておきましょう。
整数解・有理数解の問題
【問題1】\(x^2+y^2=2\) は整数解ないし有理数解はもつのでしょうか。
【問題2】\(x^2+y^2=3\) は整数解ないし有理数解はもつのでしょうか。
【問題3】楕円曲線\(y^2=x^3+x^2\)は、整数解ないし有理数解をもつか調べてください。
【問題4】楕円曲線\(y^2=x^3-x^2-x+1\)は、整数解ないし有理数解をもつか調べてください。