整数解の問題-解答編-
整数解の問題
見かけは易しそうでも、やってみると難しい問題が多いのが、整数解の問題には結構あります。合同式を利用すると、答案がわかりやすくなる場合があります。合同式が使えるものは、使ってみましょう。なれるととても便利です。リンクに問題があります。整数問題-やさしそうで難しい問題の多い単元-
整数解の問題の解答
【問題1】
m^2=2^{n}+1を満たす自然数m,nをすべて求めてください。
【解答1】
m^2=2^{n}+1・・・・・・・・①
①で2^{n}+1は、奇数ですから、mも奇数です。
よってm=2k+1(k≧0の整数)とかけます。これを①に代入して整理すると、
k(k+1)=2^n/4・・・・・・・② となります。②を満たすk、nが存在するには、n≧3 です。このとき、k(k+1)=2^{n-2} ですから、k(k+1)は、2の累乗となります。
k(k+1)は連続する2整数ですから、k=1、k+1=2^{n-2}となります。
これより、n=3で、これは、n≧3を満たします。
以上から、m=3、n=3・・・・(答)
【問題2】
次の(1)、(2)を証明してください。
(1) 1+1/2^k+1/3^k+・・・・・・・・+1/n^k (k≧2)は整数ではありません。
(2)1+1/2+1/3+・・・・・・・・+1/n は整数ではありません。
【解答2】
(1)1<1+1/2^k+1/3^k+・・・・・・・・+1/n^k≦1+1/2^2+・・・・・+1/n^2
<1+1/1・2+1/2・3+・・・・・・・・+1/(n-1)n=2-1/n<2
従って、整数ではないことが証明されました。
(2) S=1<1+1/2+1/3+・・・・・・・・+1/nとおくと、Sが整数でないとします。(n≧2)このnに対して、2^m≦n<2^mとなるような自然数mがただ1つ存在します。n以下のすべての奇数の積をKとすると、仮定から、
S・K・2^{m-1}は整数となりますが、
S・K・2^{m-1}=1+1/2+1/3+・・+1/2^m+1/(2^m+1)+・・・・・・+1/n
=(整数)+k/2≠整数 となり、矛盾です。従って題意は成り立ちます。
【問題3】
a,bを3より大きい素数とするとき、a^2-b^2 は24で割り切れる
ことを証明してください。
【解答3】
a、bは、3より大きい素数ですから、a,b≡±1、±5 (mod12) とあらわせます。よって、a、b=5、12n±1、12n±5 であらわせます。
従って、a^2、b^2は、24で割ると1余りますから、a^2-b^2は、24の倍数となります。
【問題4】
連立方程式
x+y+z=240、97x+56y+3z=16047 の整数解を求めてください。
【解答4】
x+y+z=240・・・・・・・・・・①
97x+56y+3z=16047・・・・・・・・②
①-3x②を計算すると、
41x-53(289-x-y)=10
ここで、289-x-y=n とおくと、上式は、
41x-53n=10 となります。
これは、12(3x-4n)+5(x-n)=10・・・・・・・③ は、
3x-4n=0、x-n=2が ③式を満たしますので、
x=8、n=6 となります。
よって、41(8+53k)-53(6+41k)=10 とかけます。
従って、x=8+53k、n=6+41kでy=275-94k となります。
このうち、
k=0、x=8は、y=275 となり、不適
k=1、x=61は、y=181z=-2で不適
k=2、x=114は、y=87、z=39で適します。
k=3、x=167は、y=-7で不適
よって、(x,y,z)=(114,87,39) が答えです。