整数の問題-解答編-

整数の問題の解き方

整数の問題と合同式について説明しましたが、そこで挙げた問題の解答を示します。易しそうですが、やりにくくもあります。整数や自然数の問題では、合同式を使うこと、素因数分解を考えてみる事などが、問題解決の糸口になることがあります。ここにあげた問題は、自然数を素因数分解したらどうなるかを考えることになります。

問題の解答

問題は、以下のものでした。

12個の約数を持つ自然数のうち、最小のものを求めてください。ただし自然数nの約数には、1とnを含むものとします。(私立大医学部)

【解答】

12個の約数をもつ自然数をNとします。\(12=2^2・3\)ですから、Nは、\(N=p^a、p^a・q^b、p^a・q^b・r^c\) のどれかでなければなりません。ここで、p、q、rは素数で、a、b、cは自然数です。

① \(N=p^a\) の時は、a+1=12ですから、a=11です。

Nはp=2の時、最小値となりますから、\(N=2^{11}=2048\)

② \(N=p^a・q^b\) の時は、約数の数は、(a+1)(b+1)=12

これより、a≧bとすれば、(a、b)=(3、2)(5、1)となります。

(a、b)=(3、2)の時は、p=2、q=3の時に最小になりますから、\(N=2^3・3^2=72\)となります。

また、(a、b)=(5、1)の時は、p=2、q=3でNは最小になりますから、\(N=2^5・3=96\)

③ \(N=p^a・q^b・r^c\) の時は、

約数の数は、(a+1)(b+1)(c+1)=12です。a≧b≧cとすれば、

(a、b、c)=(2、1、1)となります。よって、Nが最小になるのは、p=2、q=3、r=5のときですから、\(N=2^2・3・5=60\) となります。

以上、①、②、③より、求める最小値は、60となります。・・・・・(答)

 

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