数学の歴史的な背景-古典数学から現代数学へ-
数学の歴史的な区分
数学の時代区分をどうするかについては、色々な意見があると思いますが、もしも、数学の歴史を3つに分けるとすると、ターレス、ユークリッドなどのギリシャの数学から、ニュートン、ライプニッツまでの基礎数学の発展の時代と、18~19世紀のヒルベルトまでの微分積分の発展の時代と、ヒルベルト以降の解析学、幾何学、代数学の現代数学の3つに分けることが出来るようにも思います。ニュートン、ライプニッツにより微分積分が発展し数学が1つ上の段階にアップしました。またヒルベルト意向の現代数学では、さらに、解析学、幾何学、そして代数学という3つの大きな方向でさらに上の段階に移行したと考えられます。
18~19世紀以降の現代数学
現代数学の主だったものをご紹介したいと思います。ここですべてをご紹介することは難しいですから、その1部を書いておきます。
① ラプラス変換
ラプラス変換は、微分や積分で表されたものを代数的な演算に変換するためのものです。制御工学などで、よく使われます。
ラプラス変換は、ラプラス積分で表された複素関数であり、
F(s)=∫(0~∞)f(t)・e^(-st)・dt
で変換されたものを言います。ラプラス変換は、数式から微分記号や積分記号を消して、代数的演算に変換できるため、便利なものです。ここで、代数的というのは、f(x)をxの正式としたときにf(x)=0の解を代数的数といいます。超越数とは、代数方程式の解にならないものを言います。√2や√3は代数的数ですが、πやeなどは超越数です。
② フーリエ変換
フーリエ変換とは、f(x)をxを実数とする周期2πの周期関数とすると、
f(x)は、a0/2+Σ(n=1~∞){an・cos(nx)+bn・sin(nx)
で表されます。ここで、
an=1/π・∫(π~-π)f(x)cos(nx)dx
bn=1/π・∫(π~-π)f(x)sin(nx)dx
となります。これは、どんな複雑な周期関数であっても、同じ周期をもつものは、単純な正弦波、余弦波で表されるというものです。近代電磁気学はフーリエ級数無しには議論できません。
③ コーシーの積分定理
以前少し触れましたが、Dを単連結領域とし、f(z)はD上で正則だとします。(つまり特異点がないと言うこと)このとき、CをD内の単純閉曲線とすると、Cによって囲まれる任意の点z=aに対して、
f(a)=1/2πi ∫f(z)/(z-a)・dz
この他にも多くの分野がありますが、おいおい触れていくことにしましょう。
問題
aをa>1の実数とするとき、a^xは、xの整式として表せない事を証明してください。