数列をマスターしよう-解答編-

数列のいろいろなバリエーション

数列に関する基礎事項をきちんと整理し、マスターした上で、応用問題や難しいと思われる問題に取り組んでいきましょう。数列は定積分を考えるときの基礎になりますし、色々な分野との融合問題が作れます。しっかりマスターしていきましょう。解説と問題は以下のリンクにあります。数列をマスターしよう

数列をマスターしよう、の解答

【問題1】

\(a、m\)は自然数で、aは定数とします。\(xy\)平面上の点\((a、m)\)を頂点とし、頂点と\((2a、0)\)を通る放物線を考えます。この放物線とx軸で囲まれる面積を\(S_m\)、この領域にある格子点及び境界に含まれる格子点の数を、
\(L_m\)とします。

このとき、\(\displaystyle \lim_{ m \to \infty } L_m/S_m\) を求めてください。(京都大)

【解答1】

原点と点(2a、0)をとおる直線は、
\(y=tx(x-2a)\) となり、\(y=t(x-a)^2+m\)ですから、\(0=ta^2+m\) となりますから、\(t=-m^2/a<0\)

よって、\(S_m=\displaystyle \int_{0}^{2a }{-m^2/a(x-a)} dx
=4ma/3\)・・・・・・・・①

また、格子点は、[x] をガウス記号とすると、
\(L_m=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ 2n }( [-m^2/a(k^2-2ak)]+1)\) です。

\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ 2n }( -m^2/a(k^2-2ak)=-1/3・a(4a^2-1)\) で、
ガウス記号の定義から、
\(-m^2/a(k^2-2ak)< [-m^2/a(k^2-2ak)]+1≦-m^2/a(k^2-2ak)+1\)となりますから、

\(3m/a(a^2-1)<L_m≦3m/a(a^2-1)+2a+1\)・・・・・②

①、②より、

\((4a^2-1)/4a^2<L_m/S_m≦(4a^2-1)/4a^2+3/4・(2a+1)/am\)
から、m→∞とすると、挟み撃ちの原理から、

\(\displaystyle \lim_{ m \to \infty } L_m/S_m =(4a^2-1)/4a^2\)

【問題2】

正n角形\(P_n\)を次のように定めます。
(1)\(p_3\)は面積1の正三角形です。
(2)\(p_N\)と同じ面積をもつ円を\(D_n\)とします。

\(n=3,4,5・・・・・・\)について、\(P_nの面積をa_n\)とすると、

(1)\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }(a_{n-1}/a_n) \)を求めてくだい。
(2)\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }n^2((a_{n-1}/a_n)-n/π・sin(π/n))\)
を求めてください。(東北大)

【解答2】

(1)\(D_nの半径を、r_n\)とします。条件から、
\(r_n=\sqrt{a_n/π}\)
\(D_nの周の長さは、2π・r_n=2\sqrt{πa_n}\) です。

また、正n角形の外接円の半径を\(R_n\)とすると、(2)より、
\((n+1)2・R_{n+1}・sin(π/(n+1)=2・\sqrt{πa_n}\)となります。

よって、\(R_n=\sqrt{πa_n}/((n+1)sinπ/(n+1))\)
\(P_nはn個の2等辺三角形で、、a_n=n・πa_{n-1}/(nsinπ/n)^2・
sinπ/n・cosπ/n\)となります。

これより、\(a{n-1}/a_n=π/n・tanπ/n\)

(2)\(θ=π/n\)とおくと、
\(n^2((a_{n-1}/a_n)-n/π・sin(π/n))=(θ/π)^2(1/θ・tanθ-1/θ・sinθ)\)

ここで、\(n→∞なら、θ→+0\)ですから、

\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }n^2((a_{n-1}/a_n)-n/π・sin(π/n))\)=\(\displaystyle \lim_{ θ \to +0 }((θ/π)^2(1/θ・tanθ-1/θ・sinθ)\)
=\(\displaystyle \lim_{ θ \to +0 }(2π^2/cosθ・sinθ/θ(1-cosθ)・1/4\)
=\(\displaystyle \lim_{ θ \to +0 }(2π^2/cosθ・sinθ/θ・sin^2(θ/2)/(θ/2)^2\)
=\(π^2/2\)

【問題3】

\(aは、0<a<π\)を満たす定数とします。
\(n=0,1,2、・・・・・・・・\)に対し、\(nπ<x<(n+1)\)の範囲に、
\(sin(x+α)=xsinx\)を満たすxがただ1つ存在し、これを\(x_n\)とします。

(1)\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }(x_n-nπ)\)を求めてください。
(2)\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }n(x_n-nπ)\)を求めてください。(京都大)

【解答3】

(1)条件より、\(sin(x_n+a)=x_nsinx_n\)
\(nπ<x_n<(n+1)π\)・・・・・・①
よって、\(sinx_n=1/x_n・sin(x_n+a)\)・・・・・・②

①から、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }sinx_n=0\)・・・・・③
また、①から 0<x_n-nπ<π これと ③より
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }(x_n-nπ)=0またはπ\)

さらに、\(x_n-nπ\)がπに十分小さいときは、
\(x_n≒(n+1)π (0<a<π)\) から、
\((n+1)π<x_n+a<(n+2)π\)で、\(sinx_nとsin(x_n+a)\)は異符号とな
り、②が成り立ちません。

従って、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }(x_n-nπ)=0\)です。

(2) \(n(x_n-nπ)=(x_n-nπ)/sin(x_n-nπ)・nsin(x_n-nπ)\)です。

ここで、\(θ=x_n-nπ\)とおくと、
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }(x_n-nπ)/sin(x_n-nπ)\)
=\(\displaystyle \lim_{ θ \to 0 } θ/sinθ=1\)

また、\(sin(x_n-nπ)=±sinx_n\)より、②から、
\(nsin(x_n-nπ)=n/x_n・sin(x_n-nπ+a)\)です。

①から、\(π<x_n/n<(1+1/n)π\)・・・・・④
④で、n→∞で④の両辺は、πに収束しますから、
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }n/x_n・sin(x_n-nπ+a)\)
=\(1/π・sina\)

従って、求める極限値は、
\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }n(x_n-nπ)=1/π・sina\)
となります。

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