数列に関する問題の解答 -数列の解法についてー
Introduction
数列に関する問題を書きましたが、ここではその問題の解答を書いておきますので、数列のやや難しい問題の解き方をマスターしていただきたいと思います。問題とその背景については、下のリンクを参照してください。
数列の問題1の解答
これはフィボナッチの数列の問題でした。この数列自然界にもよく現れる数列ですし、3項間の漸化式の問題の解法をマスターするのによい問題では無いかと思います。(頻出問題・標準問題)
\(a_1=0、a_2=1 a_(n+1)=a_n+a(n-1) ・・・・・(*)\) の3項間の関係式が成り立つ時に、一般項 anを求めてください。
このような漸化式の求め方は、やり方があります。2項間でも同様です。*を変形して、\(a_(n+1)-α・a_n=β(a_n-α・a_(n-1)\)と変形して考えます。根底には、等比数列の考え方が使えるようにするわけです。
上式は、\(a_(n+1)=(α+β)・a_n +αβ・a_(n-1)\) となりますから、
\(α+β=1、αβ=1\)となります。
従って、\(α、β\)は、2次方程式の解と係数の関係を逆に使うと、\(t^2-t-1=0\)の2解となります。これを解けば、t=\(\frac{1±\sqrt{5}}{2}\)となります。よって
\(a_(n+1)-αa_n=β(a_n -α・a_(n-1)\) 及び\(a_(n+1)-βa_n=α(a_n-β・a_(n-1)\)となります。これより、\(an+1-αan=β^n(a2-αa1)=β^n\)、また\(an+1-β・an=α^n\) となります。従って、この2式を引き算すると、
\((β-α)an=β^n-α^n\) となります。
よって\(a_n=1/(\sqrt{5})・([(√5+1)/2)^n-(√5-1)/2)^n]\)となります。
注)(√5+1)/2 は黄金分割比として有名です。
数列の問題2の解答
問題は下記の通りです。
「nは自然数とします。x^(n+1)を \(x^2-x-1\)で割った余りを、\(a_n・x+b_n \)とします。
(1)\(a_(n+1)=a_n+b_n、b_(n+1)=a_n\) である事を示してください。
(2)自然数nに対して、\(a_n、b_n\)はともに自然数であり、互いに素である
事を証明してください。」(東大)
証明(1)
商をQn(x) とおくと、\(x^n+1=(x^2-x-1)Qn(x) +an・x+bn\) とかけます。この両辺にxをかけると、
\(x^n+2=(x^2-x-1)・xQn(x)+ax^2+bn・x\)
=\((x^2-x-1){xQn(x)+an}+(an+bn)x+an\)・・・(1)
一方、\(x^n+2=(x^2-x-1)Qn+1(x) +an+1・x+bn+1\)・・・(2)
(1),(2)より、an+1=an+bn、bn+1=an である。
証明2
数学的帰納法により、解く事が出来ます。やってみてください。