数Ⅱの問題演習-解答編-
数Ⅱの範囲について
数Ⅱは、数Ⅰの基礎を基にして、さらに数学を深めるところです。そして数Ⅲでさらに理解を深める足元を固めるところだとも言えます。数Ⅱでは扱う関数も、三角関数、分数関数、無理関数、指数関数、対数関数と増えてきます。また、自然科学の基礎となる微分・積分法が導入されます。数Bでは、数列やベクトルも学びます。学ぶ範囲が広いところですから、基礎をしっかり学び、数ⅠA,数ⅡB,数Ⅲの高校数学全体をマスターしていただきたいと思っています。
数ⅡBは、文系理系ともに学ぶ必要がありますから、(特に国立大学の場合)頑張っていきましょう。学年はじめですので、取り組みやすい問題からやってみましょう。
数Ⅱの問題
【問題1】
\(a\) を定数とし、\(f(x)=x^3-3ax^2+a\) とします。\(x≦2\) の範囲で \(f(x)\) の最大値が \(105\) になるような \(a\) を求めてください。
(一橋大)
【解答1】
定石どおりグラフの増減を調べましょう。
\(f'(x)=3x((x-2a)\)
1) \(a>0\) のとき
\(x≦2\) における最大値は、\(f(0)=a\) または \(f(2)=-11a+8<8\)
よって、最大値が \(105\) になるのは、 \(a=105\)
2) \(a=0\) のとき
\(f(x)=x^3\) で \(x≦2\) で 最大値は \(8\) で不適
3) \(a<0\) のとき
\(x≧2\) における最大値は、\(f(2a)=-4a^3+a\) または \(f(2)=-11a+8\) のどちらかです。
したがって、場合分けをして
ⅰ)\(-2≦a<0\) のとき \(f(2)≧f(2a)\) より \(f(2)=105\)から \(a=-97/11\) となり不適
ⅱ)\(a≦-2\) のとき \(f(2a)=-4a^3+a=105\) から \((a+3)(4a^2-12a+35)=0\) から
\(a=-3\)
よって、(答) \(a=-3、105\)
【問題2】
実数 \(x,y\) が \((\log_{ 3} x)^2+(\log_{ 3 } y)^2=\log_{ 3 } x^2-\log_{ 3} y^2\) を満たすとき
\(\log_{ 3} x、xy、x/y\) のとりうる範囲をそれぞれ求めてください。
(青山学院大)
【解答2】
底の条件から \(y>0、y≠1\)
真数条件から \(x<2\)
このもとに、与えられた式を変形すると、
\(\log_{ 3 } y<\log_{3(1-x/2)}\)
よって
\(y>1\) のときは
\(y<-3/2・x+3 (y>1)\)
\(0<y<1\)のときは
\(y>-3/2x+3\)
これらをまとめればよいことになります。
【問題3】
\(y=4sinθcosθ+2(sinθ+cosθ)+1\) とします。
\(0≦θ≦π\) における \(y\) の最大値と最小値を求めてください。
(奈良女子大)
【解答3】
\(t=sinθ+cosθ\) とおくと、\(sinθcosθ=(t^2-1)/2\)
また \(t=\sqrt{2}sin(θ+π/4)\) で \(0≦θ≦π\) から
\(-1≦t≧\sqrt{2}\)・・・・・・①
\(y=2t^2+2t-1\) だから、①における最大、最小を求めればよいことになります。
\(y=2(x+1/2)^2-3/2\) ですから、
最小値 \(3+2\sqrt{2}\) 最大値 \(-3/2\)
【問題4】
公比が正である等比数列 \(a_n\) において、\(a_2=2、a_4=8\) であるとします。
また、数列 \(b_n\) は、初項から 第 \(n\) 項までの和 \(S_n\)が \(S_n=n^2+n+1\) となるような数列とします。
(1)数列 \(a_n\) の公比を求めてください。
(2)数列 \(b_n\) の一般項を求めてください。
(3)\(b_3<x≦b_{n+3}\) を満たす整数 \(x\) の個数を \(c_n\) とします。
\(c_1a_1+c_2a_2+・・・・・・・・+c_na_n\) を \(n\) の式で表してください。
(進研)
【解答4】
(1)、(2) は答えのみを示します。
(1) \(公比:2\)
(2) \(b_1=3\) \(b_n=2n (n≧2)\)
(3) (2)より \(b_3=6\) \(b_{n+3}=2(n+3)=2n+6\)
よって \(b_3≦x≦b_{n+3}\) すなわち \(6≦x≦2n+6\) を満たす \(x\) の個数 \(c_n\) は
\(c_n=2n\)
また (1) より、\(a_n=2^{n-1}\)
よって
\(c_ka_k=k・2^k\)
\(S=\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n } k・2^k\) とおくと
\(2S-S=(n-1)・2^{n+1}+2\) から
\(S=(n-1)・2^{n+1}+2\)