数Ⅰの問題演習-解答-

2019年4月から高校生になる皆さんへ

いよいよ4月から高校生なりますね。中学で数学を学んできましたが高校生からは本格的な数学の勉強をする事になります。もちろん純粋数学に比べると厳密性や曖昧さは残っており、ある面でイメージで判断するところもありますが、奥の深い数学の世界に入ることになります。これらの数学の勉強ができるのは、多くの天才的な数学者のお陰であることも忘れてはなりません。中学の数学より、かなり数式や定義が増えてきますが、きちんと理解してさらなる深い数学の世界に入っていただければと思っています。ここでは、数Ⅰの問題をやってみましょう。

数Ⅰの問題

【問題1】

f(x)=\vert{x^2-x-k}\vert とするとき、0≦x≦1 における f(x) の最大値を最小にする k の値を求めてください。

【解答1】

y=g(x)=x^2-xy=h(x)=k とおくとf(x) は y=g(x)=(x-1/2)^2-1/4 と y=h(x)=k の y軸方向の距離の差とみなすことができます。x=1 のときの上記の距離の差と、x=1/2 の時の差の和は常に 1/4 だから大きいほうは 1/8以上です。
ここで、k=1/8 とすれば、どちらも 1/8にすることができます。
一方 k<-1/4、0<k のときは、明らかに f(x) の最大値は 1/8 をこえるので、f(x) の最大値を最小にするのは、k=-1/8 で最小値は 1/8

(注)絶対値を外して、最大値を求めて・・・・・などとやるとドツボにはまります。

【問題2】

x についての 2次方程式 (x-1)(x-3)+k(x-a)=0 がどのような実数 k に対しても実数解をもつような a の値を求めてください。

【解答2】

与えられた2次方程式は、y=(x-1)(x-3)・・・・・① と y=-k(x-a)・・・・・② の共有点の x 座標です。
したがって、②の直線の傾き -k がどんな実数であっても共有点をもてばよいことになります。
グラフを考えると、1≦a≦3 のときは、①と②は交点をもちます。一方 a<1、3<a なら交点をもちません。よって、1≦a≦3

(注)もちろん、展開した判別式>0 としこれがどんな k でも成り立つとやってもできますが、グラフ的にやる方法も頭に入れておいてください。

【問題3】

a,b を a<b となる定数とします。2次の係数がともに正である2次多項式を f(x),g(x) とし、f(x)=0、g(x)=0 がともに a≦x≦b に2つの実数解をもつとします。このとき、 f(x)+g(x)=0 が実数解をもてば、その解もやはり a≦x≦b の範囲にあることを示してください。

【解答3】

条件より、 y=f(x)、y=g(x) ともに下に凸だから、f(x)、g(x) はともに、x<a、b<x でともに正です。よって、a≦x≦b で f(x)+g(x)>0 したがって、f(x)+g(x)=0 は実数解をもてば、a≦x≦b にあります。

【問題4】

a,b,c を 1/2≦c≦b≦a を満たす変数とします。このとき、F=abc-ab-2bc-3ca+2a+2b+c の最大値を求めてください。

【解答4】

F=f(c)=(ab-2b-3a+1)c+(2a+2b-ab)=((b(a-2)+(1-3a))+(2a+2b-ab) となります。
a-2<0、1-3a<0 ですから 1/2≦c≦b において、c=1/2 で最大になります。
よって、c=1/2 で、1/2≦b≦a≦2 で F=1/2・(2-a)b+(a+1)/2 の最大値を求めることになります。
c と同様にして、b=a で最大となり、
さらに F=-1/2・a^2+3/2・a+1/2=-1/2・(a-3/2)^2+13/8  1/2≦a≦2 であるから、最大値は、13/8です。

 

 

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