挟み撃ちの原理-右と左から追い込もう-

数列の問題における極限値の求め方

一般的な解法で、数列anの一般項が求めにくいときは、anに関する不等式を考慮し、小さい方のものと大きいものとからanを挟み込み、ともに同じ値に収束することを用いて、極限値を求めます。具体的に易しめの問題を解説しておきます。

挟み撃ちでの極限値を求める解法

【問題】

\(a_n\)が、\(a_1=2\)、\(a_{n+1}\)=\(\sqrt{a_n+3}-1\)(n=1,2,3、・・・・・・)で定義されるとき、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_n\) を求めてください。  (神戸大)

これは、極限値があるとすれば、それが推定できます。極限値をαとすると、α=√(α+3)-1から、α+1=√(α+3)これから、α≧-1を考慮して、α=1と推定できます。ここまで準備ができたら、解答に移ります。

【解答】

a1=2、an+1=√(an+3)-1・・・・・・① (n=1、2,3、・・・・・・)

①を変形して、an+1-1=√(an+3)-2=(an-1)/{√(an+3)+2}となりますから、an+1-1=1/{√(an+3)+2}・(an-1)・・・・・② ここで、②の両辺の絶対値を取ると、

lan+1-1l=l1/{√(an+3)+2}l・lan-1l となります。ここで、l1/{√(an+3)+2}l≦1/2 となります。よって、②の不等式は、

lan+1-1l≦1/2・lan-1l ・・・・・・・③ となります。よって③から、

0≦lan-1l ≦(1/2)^n-1(a1-1)=(1/2)^n-1・・・・・④ となります。④でn→∞とすれば、

0≦lim(n→∞)lan-1l≦lim(1/2)^n-1)=0となります。よって挟み撃ちの原理から、lim(n→∞)・an=1となります。

このように、挟み撃ちでは、lrl<1のとき、r^nの等比数列が、n→∞で、0に収束する事をよく使います。

挟み撃ちの原理の問題

【問題1】

(1)\(\displaystyle \sum_{ k= n }^{ 2n }\frac{1}{k}\) を求めてください。

(2)任意の定数\(a>0\)に対して、\(\displaystyle \lim_{ n \to \infty }\displaystyle \sum_{ k= n }^{ 2n } \frac{1}{a+k}\)  は(1)と同じ極限値を持つ事を示してください。     (東工大)

 

【問題2】

数列\(a_n\)を、\(a_1=1、a_n=1+1/n^2・a_{n-1}^2 (n=1,2,3,・・・・)\)で定めます。このとき、\(lim(n→∞)a_n\) を求めてください。   (東工大)

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