微分演算子-微分方程式を解く演算-
微分演算子について
関数\(f(x)\)の導関数は、\(d/dx・f(x)\)であらわされます。このとき、\(d/dxを記号D\)を用いてあらわすことがあります。
つまり、\(Df(x)=d/dx・f(x)=f’(x)\)をあらわしています。さらに、これをxで微分すれば、\(d^2f(x)/dx^2=d/dx・(d/dx・f(x))=D(Df(x))=D^2f(x)\) とあらわすことにします。
同様にして、\(d^3/dx^3f(x)=D^3f(x)\)、\(d^n/dx^n・f(x)=D^n・f(x)\)
となります。\(y=f(x)\)なら、\(D^n・y=d^n/dx^n・y\)です。
微分演算子を使った計算
まず簡単な微分方程式、\(y’=2x\)を考えてみましょう。これをDを使ってあらわせば、\(Dy=2x\)となりますここで、\(Dy\)を形式的に\(D とyの積\)と考えれば、微分方程式は、Dで割れば、\(y=1/D・2x\)となります。
Dは、このような計算ができる演算子と定義すれば、微分方程式を解くことができます。\(1/D・f(x)\)=\(\int_(f(x))・dx\)と定義すると、
\(y=1/D・2x\)=\(\int_(2x)dx\)=\(x^2+C\)となり、微分方程式が解けます。Cは積分定数です。
\(D^2y=f(x)\)は、\(y’’=f(x)\)をあらわしますが、\(D^2・f(x)=D(D・y)\)ですから、\(Dy=1/D・(1/D・f(x)\)ですから、\(y=1/D・(1/D・f(x)\) です。
例えば、\(y’’=6x\)については、
\(y=1/D・(1/D・6x)=1/D・\int_(6x)・dx=1/D・(3x^2+C1)\)=\(\int_(3x^2+C1)・dx=x^3+C\) となります。
このように、簡単な例で説明しましたが、微分演算子を使うと、微分方程式が、形式的な計算で解けることになります。