実数論-問題の解答編-
実数論について
実数論では、デデキントによって、切断と言う概念で明確に1つの実数が定義され、連続であると言うお話をいたしました。ここでは、実数に関する問題をあげておきましたので、問題の解答を書いておきます。
問題とその解答
【問題】問題は以下のものでした。
ある区間で定義された2つの連続関数、f(x)、g(x)がその区間の全ての有理数で f(x)=g(x) であれば、その区間の全ての値に対して、f(x)=g(x) である事を証明してください。
【証明】
この区間に属する任意の無理数をωとし、ωに収束する区間の有理数の数列を、{rn}とします。仮定によって
f(rn)=g(rn)・・・・・・・・・・① となります。
ここで、f(x)もg(x)もx=ωで連続ですから、
lim(n→∞)f(rn)=lim(rn→∞)f(rn)=f(ω)・・・・・②
lim(n→∞)g(rn)=lim(rn→∞)g(rn)=g(ω)・・・・・③
①、②、③より、f(ω)=g(ω)となります。
ωは、区間の任意の無理数であり、仮定から全ての有理数値に対して
f(x)=g(x)ですから、区間内の全ての実数値について、
f(x)=g(x)が成り立つことになります。(Q.E.D)
(注)極限値は、厳密には、ε-δ論法を使う必要があります。
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