実力問題-発展演習解答編-

発展問題解答

実力診断ということで、やや難しい問題を示しました。解答を書いておきますので、解法の理解と解法の取り掛かりのつかみ方を学んで欲しいと思います。

発展問題の解答(略解をかいておきます。)

【問題1】

0≦x≦1、1≦y≦2 を満たす全ての実数x,yに関して \(0≦ax+by≦1\) をみたす点(a,b)を満たす範囲の面積を求めてください。(JMO)

【解答1】

A(0,2)、B(0,1)、C(1,1),D(1,2) とおくと、条件を満たす(x,y)の範囲は、ABCDの内部と周です。a,bを定数と見ると、x,yの1次式ax+byですから、線形計画法と同様に考えると、最大、最小はA,B,C,Dのどこかでとることになります。Aでは、0≦2b≦1、Bでは、0≦b≦1、Cでは、0≦a+b≦1、Dでは、0≦a+2b≦1 となりますから、面積は、(1/2)x(1+1/2)x1/2=3/8

【問題2】

nを正の整数、aを実数とします。全ての整数mに対して、

\(m^2-(a-1)m+\frac{n^2}{2n+1}>0\) が成り立つようなaの範囲をnを用いてあらわしてください。(東大)

【解答2】

与式から、\(m^2+m>a(m-\frac{n^2}{2n-1}\) となります。よって、左辺、右辺の整数mに関する関数を考えて、左辺が右辺より上にあればいいことになります。\(y=m^2+m\)・・・・・① \(y=a(m-\frac{n^2}{2n-1})\)・・・② ②は、(\(\frac{n^2}{2n+1}\) ,0)をとおり、傾きaの直線。mを実数と考えて②、③の接する条件を考えれば、D=\((a-1)^2\)-\(\frac{4a・m^2}{2n+1}=0\) から、接点は,\(\frac{a-1}{2}=n\) となります。よって、(\(\frac{n^2}{2n+1},0)\)をとおり傾きaの直線が条件を満たすのは、0<a<2n+1

【問題3】

k>0 としたときxy平面上の2曲線 \(y=k(x-x^3) , x=k(y-y^3)\) が第1象限に、α≠β であるような交点(α,β)を持つようなkの範囲を求めてください。(東大)

【解答3】

\(y=k(x-x^3)\)・・・・・①  \(x=k(y-y^3)\)・・・・・②

①と② の共通部分を書き図で考察すると、①とy=xの交点Aの傾き<-1であることが、必要十分。\(y=k(x-x^3)\) とy=xが第1象限に交点をもつのは、k>1、このとき、dy/dx=k((1-3\(x^2)\) ですから、k\((1-3\frac{k-1}{k})\)<-1 から、k>2 よって、k>2が求めるものです。

【問題4】

f(x)は、xの3次式で、f(x)をその導関数f'(x)で割ったときの余りが定数であるとします。このとき、f(x)=0を満たす実数xは、ただ1つである事を示してください。(京大)

【解答4】

条件を満たす時、y=f(x)が単調増加、または、減少関数であることを示せばいいことになります。もし、y=f(x)が単調関数でなければ、y=f(x)は3次関数だから、極値をもつことになります。この点を、A,Bとすると、ABはx軸に平行ではありません。さらに、f'(x)=0は、相異なる2実解α、βをもちますから、f(x)=f'(x)h(x)+c となり、f'(x)=0は2直線をあらわし、y=f(x)は、A,Bを通ることになり、ABがx軸に平行であることに反します。従って、題意はなりたちます。

【問題5】

定数pに対して、3次方程式 \(x^3-3x-p=0\) の実数解のうち最大のものと最小のものとの積をf(p)とします。もし、実数解がただ1つのときは、その2乗をf(p)と定義します。pが全ての実数を動くとき、f(p)の最大値を求めてください。(東大)

【解等5】

\(x^3-3x-p=0\)・・・・・・・①の実数解は、\(y= x^3-3x\)・・・・・・②とy=p・・・③の交点です。(1)実数解が1つのときは、f(p)=\((実数解)^2\) となります。また、f(p)は負になりうるので、最小ではありません。(2)実数解が複数の場合を考えればいいことになります。このときは、f(p)<0であり、f(p)が最小になるのは、Oの接線の傾きの絶対値が3となるので、f(p)の最小値は-3です。図を書いてみてください。

【問題6】

曲線 \(y=x^4-6x^2\) に点P(a,b)を通る4つの接線が引けるのは、(a,b)の範囲がどのような範囲にあるときでしょうか。(京大)

【解等6】

\(y=x^2(x+\sqrt{6})(x-\sqrt{6})\)・・・・・・・・・①

\(y”=4x(x+\sqrt{3})(x-\sqrt{3})\)・・・・・・・・・・・②

\(y”=12(x+1)(x-1)\)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・③

①、②、③より、グラフを書き、接線の本数を考えればいいことになります。グラフはやや複雑になります。

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