大村特別栄誉教授ノーベル賞受賞記念-北里大医学部入試解答-
大村特別栄誉教授ノーベル医学・生理学賞受賞記念
北里大学は、大村教授のノーベル医学生理学賞の受賞から、人気が出るかもしれません。私立大医学部の動向にも十分注意すべきだと思われます。
問題等のリンクは次にあります。大村北里大特別栄誉教授・ノーベル賞特別記念
大村特別栄誉教授ノーベル賞受賞記念/
-北里大医学部入試問題解答-
【問題1】
(注) 【問題1】は、センター方式であり、答えのみを記入する方式で
す。ここでは、記述式に修正しています。
(1) \(k\)を実数とするとき、方程式\(\sqrt{4X-3}=x+k\)の実数
解が2個になる\(k\)の値と1個になる\(k\)の値を求めてください。
また、曲線\(y=\sqrt{4x-3}\) と直線 \(y=x\)で囲まれた部分
を、x軸の回りに回転したときの体積をもとめてください。
(2) 曲線\(y=kx^2-1\)と曲線\(y=logx\)が共有点をもち、その点
で共通の接線を持つときの、\(k\)を求めてください。また共通の
接線の方程式を求めてください。
(3) 数列\({a_n}\)の初項から\(n\)項までの和を\(S_n\)とすると
き、\({a_n}\)は、\(a_1=1,a_{n+1}=S_n+n^2+1\)
\((n=1,2,3,・・・・・・・)\)を満たすとします。
このとき、\(a_1、a_n、S_n\)を求めてください。
(4) \(△ABC\)において、\(AB=3、AC=4、∠A=π/3\)とします。
\(△ABC\)の外心を\(O、\overrightarrow{ AB }=\vec{ b }、
\overrightarrow{ AC}=\vec{c}\)とします。
① \(△ABC\)の外接円の半径を求めてください。
② \(\overrightarrow{AO}を\vec{ b }、\vec{ c }\)で表して
ください。
③ 直線\(BOと辺AC\)の交点を、\(P\)とするとき、\(AP:AC\)を
求めてください。
(5) \(X君とYさん\)は、毎日正午に次の規則に従って食事を取ります。
① \(食堂A,食堂B、食堂C\)のいづれかで食事をとります。
② 食堂は、前日とは異なる2つのうちの1つを無作為に選びます。
③ 2人が同じ食堂を選んだ日は、必ず一緒に食事をします。
1日目には2人は別々の食堂で食事を取ったとします。このとき、
3日目に初めて2人が一緒に食事をとる確率を求めてください。
また2人が一緒に食事をとる日が7日目になる確率を求めてください。
【解答1】
この問題は小問集合ですので、解答を書いておきます。それほど難しくはありません。
(1) ① \(-3/4≦k<1/4\) ②\(k<-3/4,k=1/4\) ③\(4/3π\)
(2) ④ \(e^2/3 \) ⑤\(\sqrt[3]e^2-5/3\)
(3) ⑥\(23\) ⑦\(2^{n+1}-2n-1\) ⑧\(2^{n+2}-n^2-2n-4\)
(4) ⑨\(\sqrt{39}/3\) ⑩ \(2/9\) ⑪ \(5/12\) ⑫ \(15:13\)
(5) ⑬\(3/16\) ⑭ \(189/2048\)
【問題2】
\(k\)は定数とします。楕円\(x^2/4+y^2=1\)と直線\(x+\sqrt{3}=
ky\) の共有点を\(P,P’\)とします。楕円の焦点を\(F(\sqrt{3},0)、
F'(-\sqrt{3},0)\)とするとき、
(1) \(△PP’F\)の面積を\(k\)を用いて表してください。
(2) \(△PP’F\)の内接円の半径を最大にする\(k\)の値を求めてくだ
さい。
【解答2】
(1) 楕円と直線の共有点のy座標は,\((k^2+1)y^2-2\sqrt{3}ky-1=0\)の解で
す。この判別式を\(D\)とすれば、\(D/4=3k^2+(k^2+3)>0\)より相異なる
これを\(α、β\)とすると、解と係数の関係から、\(α+β=2\sqrt{3}k/(k^2+4)
\) ,\(αβ=-1/(k^2+4)\)・・・・・・・・・①
\(P(kα-\sqrt{3},α)P’=(kβ-\sqrt{3},β)\) となります。
よって、\(△PP’F\)=1/2・\(\vert{(kα-2\sqrt{3})β-α(kβ-2\sqrt{3})}\vert\) =\(\sqrt{3}\vert(α-β)\vert\)
ここで、①から\(\vert(α-β)\vert=4\sqrt{k^2+1}/(k^2+4)\)となり、
\(△PP’F=4\sqrt{3}\sqrt{k^2+1}/(k^2+4)\)
(2) \(△PP’F\)の内接円の半径を \(r\) とします。\(△PP’F=r/2・(FP+FP’+PP’)\)・・②
\(FP+FP’+PP’=FP+FP’+PF’+F’P’\)で\(P,P’\)は、\(x^2/4+y^2=1\)上の点です から、\(FP+F’P=4,FP’+F’P’=4\) よって、\(FP+FP’+PP’=8\) から、②より、 \(4r=△PP’F=4\sqrt{3}\sqrt{k^2+1}/(k^2+4)\)となります。従って、 \(r=\sqrt{3}\sqrt{k^2+1}/(k^2+4)\)、\(dr/dk\)を求め増減表を書くと、 \(r\)の最大値は、\(1/2\)となります。
【問題3】
実数全体を定義域とする関数\(f(x)\)は奇関数で、微分可能であるとし
ます。さらに、\(f’(x)\)も微分可能であり、\(f’(0)=0\)で、\(x>0
\)で\(f’’(x)>0\)とします。\(y=f(x)\)の曲線を\(C_1)\)、\(C_1)
\)をx軸方向に\(a\)、y軸方向に\(f(a)\)平行移動した曲線を、\(C_2\)
とします。ただし、\(a>0\)とします。
(1)\(f(0)\)の値を求めてください。
(2)\(f'(x)\)は、偶関数であることを示してください。
(3)\(C_1とC_2\)で囲まれる図形の面積を\(S(a)\)とします。\(a が、
0<a≦3\)の範囲を動くとき、\(S(a)を最大にするa\)の値を求めてください。
【解答3】
(1) \(f(x)\)は奇関数で、原点対称だから,\(f(0)=0\)
(2) \(f(-x)=-f(x)\)から、\(f'(-x)=f’(x)\)より、f’(x)は偶関数です。
(3)\(C_2は、C_1をx軸方向にa、y軸方向にf(a)\)平行移動したものですから、
\(C_2は、y=f(x-a)+f(a)\)、\(g(x)=f(x-a)+f(a)-f(x)\)とおくと、
\(g'(x)=f’(x-a)-f'(x)\)で(2)より\(f'(x)\)は偶関数だから、\(g'(x)=0となる
のは、x=a/2\) よって、\(x>0でf”(x)>0だから、f’(x)\)単調増加関数です。
\(x>a/2、x<a/2のg'(x)\)の符号は、それぞれ単調減少、単調増加になりますから、\(g(x)\)は上に凸の関数であり、\(g(0)=g(a)=0\)だから、\(C_1,C_2\)の交点は、\(x=0、x=a\)です。
よって、\(S(a)=\displaystyle \int_{0}^{a} g(x) dx=af(a)-F(a)-F(-a)\)
\(ここで、F(X)はg(x)の原始関数です。\) \(d/da・S(a)=af'(a)-f(a)\)
\(d^2/da^2・S(a)=af”(a)≧0\) これから、\(d/da・S(a)≧0\)だから、\(S
(a)は0≦a≦3\)で単調増加になります。よって\(S(a)が最大になるのは,a=3\)