夏休みの課題-集中演習解答編-
夏休みの実力アップ
入試までほぼ1/3が過ぎようとしています。これから、夏休みです。この時期に計画的に、集中して勉強して大きく実力を伸ばす生徒を多く見てきました。1か月半というまとまった勉強時間がとれるのですから、計画的にやらない手はありません。しっかり演習して実力を養いましょう。
夏休み演習問題
【問題1】
\(a、b\) は複素数とします。2次方程式 \(z^2+az+b=0\) の2解がともに、その絶対値が \(1\) となるためには、
\(\vert b \vert=1\) かつ \(0≦a^2/b≦4\)
であることが必要十分条件であることを証明してください。
【解答1】
to be continued
【問題2】
\(a-b\) が \(p\) の整数倍であるとき、\(a,b\) は \(p\) を法として合同といい
\(a≡b (mod p)\) と表します。
ここで、\(121x≡87 (mod 257)\) を満たす最小の正の整数を求めてください。
(ここにあらわれた \(a-b≡p (mod p)\) は数学者ガウスが整数論を構築するときに考えた記法です。)
【解答2】
\(121x≡87 (mod257)\)
⇔\(242x≡174 (mod257)\)
⇔\(257x-15x≡174 (mod257)\)
⇔\(-15x≡174 (mod257)\)
\(3,257\)は互いに素ですから
\(ー5x≡58 (mod257)\)
\(-5x≡58+257=315 (mod257)\)
⇔\(x≡-63 (mod257)\)
よって、最小の正の整数は、\(x=257-63=194\)
【問題3】
\((k+1)^4-(k-1)^4=8k(k^2+1)\) を用いて
次の等式を証明してください。
\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } k^5+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } k^7=2(\displaystyle \sum_{ k= 1 }^{ n } k^3)^2\)
(この等式をヤコビの公式といいます。)
【解答3】
与えられた恒等式を使うと
\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } k^5+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n } k^7=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }1/8・K^4((K+1)^4-(K-1)^4)\)
=\(1/8・\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }(k(k+1)^4-k(k-1)^4)\)
=\(1/8・(n(n+1))^4\)
ここで、\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }k^3=(n(n+1)/2)^2\) だから
与式は成り立ちます。
(補足)
\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }k^4=1/30・n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)\)
\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }k^5=1/12・n^2(n+1)^2(2n^2+2n-1)\)
\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }k^6=1/42・n(n+1)(2n+1)(3n^4+6n^3-3n+1)\)
\(\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }k^7=1/24・n^2(n+1)^2(3n^4+6n^3-n^2-4n+2)\)
という公式を知っていれば、この問題はすぐできますが、これを使わないで証明する方法を提案しています。
【問題4】
半径が、\(a\) の定円 \(O\) と、その円周上の定点 \(C\) を中心として半径が変化する動円 \(C\) があります。円 \(C\) が円 \(O\) によって切り取られる劣弧と2円の共通弦によって囲まれる部分を、直線 \(OC\) を軸として回転して得られる立体の体積の最大値を求めてください。
【解答4】
略解 積分計算は面倒です。
\(4/3・(5\sqrt{5}-11)πa^3\)
【問題5】
\(sinα=1/2\) のとき \(tan(α/4)\) の取りうる値を求めてください。
【解答5】
\(tan(α/4)=t\) とおくと
\(sinα=2sin(α/2)・cos(α/2)=2・2t/(1+t^2)・(1-t^2)/(1+t^2)\)
より、\(1/2=4t(1-t^2)/(1+t^2)^2\)
よって、\(t^4+8t^3+2t^2-8t+1=0\)
\(t≠0\) で同次式の解法を使うと
\((t-1/t)^2+8(t-1/t)+4=0\) から
\(t-1/t=-4±2\sqrt{3}\)
これから、求める値は、\(-(\sqrt{2}±\sqrt{3})(\sqrt{2}±1)\) (復号任意)