場合の数と確率-結構出題確率の大きい単元-
場合の数と確率
確率論は、ヨーロッパの貴族がギャンブルにいかにして勝てるか、物理学者で数学者のパスカルに理論を依頼したところから始まったと言う事は既に書いてきました。確率では、場合の数を求めることが基本的ですので、ここで、順列、組合せの基本をまとめておきましょう。
順列と組合せ
順列は、異なるn個のものから、r個のとって、順番を考えて並べる方法の数のことです。これを、\({}_n \mathrm{ P }_r\)=n(n-1)・・・・・・(n-r+1) (n≧r) となり、特に\({}_n \mathrm{ P }_n\)=n ! となります。また、異なるものを、円形に並べる円順列は、(n-1) ! となります。また、n個の異なるものから、r個のものをとる組合せは、\({}_n \mathrm{ C }_r\)=\({}_n \mathrm{ P }_r/r !\)=n!/\(r !・(n-r) !\) となるのは基本的です。また、同じものを含む順列は、n個のうちp個だけ同じものがあるときには、n!/p! です。また、重複組合せ\({}_n \mathrm{ H }_r\)=\({}_n+r-1 \mathrm{ C }_r\) となります。重複組み合わせは、見落としがちですので抜けの無いようにして欲しいと思います。順列、組み合わせは、確率や期待値を求める時の基礎になるものですから、十分理解しておいてください。
確率の基本定理
事象Aの起こる確率をP(A)、事象Bの起こる確率をP(B)とします。確率の間には、0≦P(A),P(B)≦1 となります。ここで、\(A \cap B\)=φ ならば、P(\(A \cup B\))=P(A)+P(B) となりますが、\(A \cap B\)≠φ ならば、P(\(A \cup B\))=P(A)+P(B)-P(\(A \cap B\)) となります。事象 A,B,C,・・・・・でも同様な関係が成り立ちます。またP(A)+P(\(\overline{ A }\))=1 となり、この関係 \(\overline{ A }\) をAの余事象といいます。有用性のある関係式です。
確率の問題
【問題1】
1個のサイコロをn回投げる事象を考えます。n≧3の時に、1の目が少なくとも2回でて、かつ2の目が少なくとも1回でる確率を求めてください。
【問題2】
1からnまでの自然数を1つずつ書いたn枚のカードがあるとします。よく混ぜて1枚引いては戻すと言うことを2回おこない、1回目のカードの数と2回目のカードに書いてある数の差の絶対値を得点とする試行を考えます。
(1)この試行を1回行う時の期待値を求めてください。
(2)n=3とします。この試行を3回行う時、得点の合計が2である確率を求めてください。
【問題3】
ゲームを次のように行うものとします。サイコロを1回に2個ふり、12の目がでたら、そこでゲームは終わり賞金を獲得するものとします。賞金を得る確率が1/2を越える確率とするには、2個のサイコロをふる回数を何回までとしたらいいでしょうか。その最小値はいくらですか。