三角比の値-どんな解法を考えますか、解答編-

三角比の問題の解答

sin18°、cos18°の特殊角の問題とその関連融合問題を出題しました。そこ解答を書いておきますから、参考にしてください。

【問題1】の解答

α=18°とします。sin18°とcos18°の値を、二通り以上の方法で解いてください。

結構有名な問題のように思いますが、解答が1通りでは、この問題の趣旨に合わないことになります。別解を少なくとも1つ以上考えていただくのが、この問題です。

【解答】

α=18°とすると、5α=90°(=π/2)となります。従って、2α+3α=π/2となります。よって、π/2-3・α=2α ですから、これのsinをとると、   sin2α=sin(π/2-3α)・・・・・・・・① となります。①より、sin2α=cos3αとなりますから、\(2sinα・cosα=3cosα-4cos^3α\)・・・・・・・②  ②をcosα>0でわって整理すると、\(4cos^2α-2sinα-3=0\) から、\(4sin^2α+2sinα-1=0\)・・・・③となりますから、sinα>0を考慮して、sinα=(√5-1)/4となります。\(cosα=√(1-sin^{2})\)から求まります。

【別解】

初等幾何学で解きましょう。底辺が72°の2等辺3角形ABCを考えます。AB上にDをとりBC=1とし、BD=DC=1ととります。△ABC∽△CDBとなりますから、BD=xとおくと、(1+x)/1=1/x となり、これから、\(x^2+x-1=0\)となり、x=(√5-1)/2 となります。よってsin18°=(√5-1)/4となります。cos18°は、sin18°から求まります。

【類題2】の解答

\(a=sin^{2}36°、b=sin^{2}72°\) とおきます。このとき以下のことを示してください。

(1)a+b、abは有理数である。

(2)任意の自然数nに対して、

  \((a^{-n}+b^{-n})(a+b)^{n} \)  は整数である。(東大改)

 

【解答2】
東大の元の問題は、ラジアンで提示してあり36°=π/5、72°=2π/5となっています。度数法で考えやすくしてみました。

(1)問題1と同じように、θ=2π/5=72°とおきます。そうしますと、 \(a=sin^2θ/2=(1-cosθ)/2\)、\(b=1-cos^2θ)\)・・・・・・・①

ここで、5θ=360°(=2π)ですから、3θ=360°-2θとなりますから、これのsinをとれば、sin3θ=-sin2θ となりますから、これを整理すると、\(4cos^2+2cosθ-1=0\)です。cosθ>0ですから、cosθ=(√5-1)/4・・・② よって、②をa、bに代入すると、a=(5-√5)/8、b=(5+√5)/8となりますから、a+b=5/4、ab=5/16 となりますから、題意はなりたちます。

(2)(1)の結果を用いると、\((a^{-n}+b^{-n})(a+b)^{n} \) =\((a^{n}+b^{n})((a+b)/ab)^n=(4a)^n+(4b)^n\) (n=1,2,3・・・・・)となります。従って、A=4a、B=4Bとおけば、\(A^n+B^n\)(n=1,2,3・・・・)が整数である事を示せばいいことになります。

あとは、\(A^n+B^n\)(n=1,2,3・・・・)が整数である事・・・・・(*)を数学的帰納法で証明すればいい事は容易に考えつきます。

ⅰ) n=1、2のとき容易に成り立つことがわかります。

ⅱ) n=k、k+1で(*)が成り立つと仮定すると、

\(A^k+B^k=M(整数)\)

\(A^{k+1}+B^{k+1}=N(整数)\)とおくことができます。

このもとで、n=k+2を考えれば、\(A^{k+2}+B^{k+2}\)=\((A+B)(A^{k+1}+B^{k+1})\)-\(AB(A^{k}+B^{k})\)=5N-5M=整数です。

従って、数学的帰納法により、\((a^{-n}+b^{-n})(a+b)^{n} \) は全ての自然数で整数となります。(Q.E.D)

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