リーマン予想に関する問題-未解決問題からヒントを得た問題-
リーマン予想について
リーマン予想については、以前未解決であり、素数の全貌に関わる問題であることは、既に説明いたしました。(下記のリンクを参照してください。)リーマン予想は、リーマンのζ(s)関数に関するものです。再度書いておきましょう。
\(ζ(s)=1/1^s+1/2^s+・・・・・・・・・・\) と無限に続く級数です。sは複素数で考えます。
これが、素数の分布や素数の全貌を解き明かす関数なのです。リーマン予想では、sは複素数で考えますが、リーマン予想とは、ζ(s)=0を満たす複素零点は、その実部が1/2であろうと言う予想です。つまり、Re(s)=1/2 という事を予想しています。160年以上も前にリーマンによって予想された事実は、多くの天才の努力にもかかわらず、いまだに解決していません。
リーマン予想でsを実数と考えた時の問題例
sを実数と考え、自然数と考えて見ます。つまり、s=1,2,3,4,・・・・・・・ とします。これは、sが複素数であるリーマン予想の特別な例ですが、これにも面白い結果が得られています。
ζ(1)は、収束せず、発散します。
sが偶数の時は、\(ζ(2)=π^2/6\)、\(ζ(4)=π^4/90\)、などと言う目覚しい関係式が得られています。但し、sが奇数の時は、まだよく分かっておらず、ζ(3)が無名の数学者によって無理数であることがわかったのは、1978年の当時の無名数学者であったアペリーです。このように実数の場合でさえ、わだ分かっていないことが多くあります。
ζ(1)が発散する事の証明
証明は割合簡単です。積分を使っても出来ますし、初等的にも証明はできます。ここでは、積分法を使った証明をしておきましょう。
これは、区分求積法による不等式の評価によります。y=f(x)=1/x を考えます。簡単な考察から、
1/1+1/2+1/3+・・・・・・1/n>∫(1,n)1/x・dx となります。
右辺は、[logx](n~1)=logx となります。従って
1/1+1/2+1/3+・・・・・・1/n>log(n+1) となります。この式でn→∞とすれば、1/1+1/2+1/3+・・・・・・1/n+・・・・・・・ は発散する事になります。
ζ(2)=\(π^2/6\) の証明問題(バーゼル問題)
これは、難しい問題ですが、導入を与えれば、何とか解ける問題にもなります。実際に入試問題にも得ています。
1) Sn=∫(0→π/2)x^2cos^2nx・dx とおくと
Sn-1-2n/(2n-1)・Sn=2/(2n)・(2n-1)I2n(n≧1)を示してくだ さい。
2)N≧1とするとき
SN={(2N-1)(2N-3)・・・・・・5・3・1}/{2N(2N-2)・・・・・4・2}・\((π/4)^3\)・(\(π^2/6\)-Σ(n=1,N)・\((1/n^2)\)を示してください。
3)N≧1とするとき
SN≦1/(2N+2)・(2N-1)(2N-3)・・・・・・5・3・1}/{2N(2N-2)・・・・・4・2}・\((π/2)^3\) を示してください。
4)次の式を示してください。
Σ(n=1、∞)\(1/n^2\)=\(π^2/6\)
少し難しいかもしれませんが、頑張ってみましょう。