フェルマーの定理に関わる問題

バズーカ問題 -異次元バズーカもありました-

8.6秒バズーカと言う芸人がはやっているようですが、ラッスン・ゴレライではありません。ここでは、数学のレッスンで、レッスン・ロレライになります。ローレライはドイツのライン川の有名な場所です。自分自身にとっても懐かしいところです。日本では2年前に黒田日銀総裁が、異次元バズーカを発射しましたが、数学のバズーカ砲級の問題はヨーロッパで生まれたものが多々あります。

数学の問題の解答 -答えの無い問題の存在-

数学の問題には、答えのある問題が出題されますが、時に解のない問題も存在します。有名な問題では、ピタゴラス数の拡張であるフェルマーの定理が有名です。問題自体は単純で、中学生でも理解は出来ます。17世紀の数学者で法律家であったフェルマーが予想した問題でした。

フェルマーの最終定理

「nをn≧3 の自然数とするときに、\(x^n + y^n = z^n \) を満たす自然数 x、y、zは存在しない。」と言うものです。

フェルマーは、ある本の余白に、私は、この問題の驚くべき証明を得たがその証明を書くには、余白が狭すぎると書きました。現在では、フェルマーは、n=4は証明できたと考えられていますが、全てのnで証明できたとは考えられていません。n=3はあの有名なオイラーによって証明されています。

最終的には、1995年にケンブリッジ出身でプリンストン大教授であった、Andrew Willes によって360年かかって証明されました。

フェルマーの最終定理の証明過程 -谷山・志村予想とワイルズの挑戦-

この証明には、日本の数学者が関わっていて、東大数学科の谷山豊と志村五郎が予想したある曲線(楕円曲線)に関する予想を証明する事によって間接的に証明されています。経緯は、リベットと言う数学者が谷山・志村予想が正しければ、フェルマーの定理は正しいと言う事を証明しています。

Willesは、この時点で、得意だった楕円曲線論や群論を駆使してフェルマーに7年間取り組み、1994年に母校のケンブリッジで3日間特別講義をしました。最終日には、教室は満員で窓の外から講義を聴いている人もいたといいます。但しこの時の証明には査読により欠陥が見つかり、その修正に弟子のテイラーと1年かけて証明を完成させています。

このように、フェルマーの定理は、否定定理です。大学入試の問題には殆ど正解があり、答えがあるものが出題されますが、時にはこのような問題もあるという事を知っておくのも有用なのかも知れません。

フェルマーの定理にヒントを得た入試問題

オイラーが証明したn=3の場合も、その証明は相当難しいものですが、これを少し変形すると大学入試に出題しても十分解ける問題になる事があります。下記がその例です。

【問題】
「x、yを自然数とし、pを素数とするときに、\(x^3+y^3=p^3\) は、自然数解を持たないことを証明してください。」

この問題なら、よく考えれば、高校生にも証明できる問題になります。解答は、別途書くことにしたいと思います。

 

 

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